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2007年 6月 15日

消えてしまった Mac mini

Filed under: イベント,マック — shiro @ 19:14
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no_mini

フランスのマックサイト HardMac が、WWDC で Mac mini が消えてしまったことに気付いた。

HardMac:”Mac mini: Even Steve Jobs Forgot It…” by Lionel:6月14日

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Sebastien からの報告。

A report from Sebastien.

「Mac mini が無くなってしまうかもしれないというちょっとしたコメント・・・

キーノートの Leopard の64ビットに関する終わりのところで、すべてのハードウェアが64ビット対応だという写真が登場した。Mac mini はその中にはいっていなかった・・・」

a small remark concerning the potential EOL status of the Mac mini…

During the keynote, when ending its presentation about the 64-bits feature of Leopard, a photo was illustrating that all hardware are 64-bit ready.. the Mac mini was missing…

Mac mini が写真にないのは意図的だろうか。確かに現行の Core Duo を搭載した Mac mini は64ビット対応ではない。しかし前にも述べたように、 Core 2 Duo を積んだ64ビット対応モデルにアップグレードするのは簡単なことだけれど・・・

So, was on purpose that the Mac mini was omitted from the photo? Of course the current Core Duo installed in the Mac mini is not 64-bit compatible, but as we already showed it, it is really easy to upgrade it to a Core 2 Duo and turn it into a 64-bit ready model…

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この記事を読んで、オヤと思った。

今回キーノートを見たとき、どこかで Mac mini を見た記憶があったからだ。 Mac mini も17インチ iMac もあったので、まだ健在だなあと思った覚えがある。

さっそくキーノートのビデオ(WWDC 2007 Keynote Address)を見直してみると、確かに64ビットの下りでは Jobs の背後のスクリーンに Mac mini の姿はない。[上の画像:ビデオの 38:46 のあたり]

WWDC 当夜、リアルタイムで読んだ Engadget と MacRumors を探したところ、Engadget で写真がみつかった。ちゃんと Mac mini が鎮座ましましている。

intel_mac

[Engadget: Intel Macs]

よく比べてみると、背景(インテルロゴ)が違う。冒頭のイントロのときの写真だ。[ビデオの 03:39 あたり]

Mac mini はインテルマックには入っていても、64ビットマックからは欠けているというわけ。なんとも細かい気の配りようだ。

64ビットマックから故意に(?)落とされたことが Mac mini の終焉を意味するかどうか・・・

WWDC を機に模様替したアップルサイトでは、Mac mini はまだまだ健在だ。

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そういえば、64ビット対応の場面で Jobs がしゃべったときも、微妙な(聴き取りにくい)言い回しだった。[ビデオ 38:43]

Jobs:で、思い出してほしい。我々が出荷するほとんどのコンピュータは64ビット対応だ。

Jobs: And, please remember that almost every computer we ship is 64-bit capable.

Jobs:だからこれ[64ビット]は、スゴいことに我々が出荷するほとんどのマックで動くのだ。

Jobs: So this is gonna run great on almost every Mac we ship.

確かにこの場面では、全部のマックが64ビット対応だとはいっていない。

なお、この場面での Engadget のテキストはつぎのようになっている。

10:40AM – “… Almost every computer we ship is 64-bit capable, this is going to run great on almost every app we ship.”

「Mac」が「app」となっているが、ビデオは何度聞き直しても「Mac」に聞こえる。

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今回の WWDC では、上記の場面以外はマックは登場しなかった。

demo_machine

Jobs のデモも、ゲームのデモも、シネマディスプレーは見えるけれど、接続コードの先にあるはずの[新しい?]マックはサッパリ姿が見えない。

game_machine

新 OS Leopard を走らせ、64ビットの作業をこなし、ゲームまで可能なマシンとはどんなマックなのだろう。

Think Secret と AppleInsider が WWDC 直前に激しいつば迫り合いを演じたことは記憶に新しいが、その後は両者ともまったくのダンマリだ。

つぎに新しいマックを見れるのは何時になるのだろうか。

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追記:(1月16日)

HardMac より早く、Mac mini が消えたことを指摘していた方がいる。

DESIGN HUB 氏のキーノートライブだ。

DESIGN HUB:”WWDC2007 Keynote Live Coverage!!“:6月12日

日本のマックファンはつくづく層が厚いと思う。

[via 気になる、記になる…

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2007年 6月 13日

デベロッパは侮辱された:John Gruber

iphone_ajax

[iPhone runs AJAX Apps]

「WWDC 2007」は「WWDC 2006 2.0」と呼んだ方がいい。内容が同じで、少しはっきりしてきたに過ぎないから。

WWDC 2007 feels more like “WWDC 2006 2.0” – the same news, now less vague. There are some interesting new details emerging, but I see three main points from today’s keynote:

そんな書き出しで John Gruber が、WWDC 07 について三つの感想を述べている。

1)Leopard の隠された機能(LEOPARD’S FEATURE SET)

2)iPhone のウェブアプリ開発環境(WEB APPS AS THE ROUTE FOR IPHONE DEVELOPMENT)

3)ウインドウズ向け Safari(SAFARI FOR WINDOWS)

Daring Fireball:”WWDC 2007 Keynote News” by John Gruber:6月11日

WWDC がデベロッパのための会議であることを考えると、第2の指摘が特に興味深い。

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鉛の風船(lead balloon)

主要メディアにはうまく対応したかもしれないが、ここはなんといってもデベロッパのための会議だ。「あなたにもすばらしい iPhone アプリが書ける。〈ウェブサイト〉という名のアプリだ」というアップルのメッセージは、デベロッパの眼には〈鉛の風船〉のように失敗として映ったのだ。

Perhaps it’s playing well in the mainstream press, but here at WWDC, Apple’s “you can write great apps for the iPhone: they’re called ‘web sites’” – message went over like a lead balloon.

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侮辱された

それは侮辱でもある。そんなやり方で iPhone のアプリは作らない。デベロッパにそんなデタラメをいってはダメだ。言い様があるだろう。アップルは、せめてつぎのようないい方をすべきだったのだ。「あなた方が iPhone のために本格的なアプリケーションを書きたいのは分かっている。我々もそう願っている。マックのアプリを作ってくれたように、iPhone についてもそんなアプリが出来るといいとは願っている。我々もそう考えて、その方向で一生懸命努力している。今日のところは、残念ながら特に発表できることはない。その代わり、iPhone は本格的 Safari ブラウザを使っているから、ウェブベースのアプリを書けば、それがちゃんと iPhone で動くすばらしいアプリとなるのだ。」

It’s insulting, because it’s not a way to write iPhone apps, and you can’t bullshit developers. It’s a matter of spin. What Apple should have announced is something like this: “We know that you want to write your own apps for iPhone, and we’d like to see that too. We love the apps you write for the Mac, and we’d love to see what you might be able to come up with for iPhone. We’re thinking about it, and working on ways that we might make that happen, but we don’t have anything to announce today. The good news, though, is that because iPhone has a real Safari web browser, you can write web-based apps that work great on iPhone.

そういわれても、デベロッパとしてはそんなことを WWDC で聞きたいわけではない。ただ少なくとも、侮辱されたとは考えないだろう。

That wasn’t what the developers here at WWDC wanted to hear, but at least it wouldn’t have been insulting.

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アップル自身そうしたら・・・

ウェブアプリ(web apps)こそ iPhone のアプリだと、デベロッパにいっても説得力はない。こういうふうに考えてみたらどうか。そもそもウェブアプリは、ネットワークからしかアクセスできず、iPhone のホームスクリーン上で独自のアイコンもなく、ローカルにデータを蓄えることもできない。そんなウェブアプリが iPhone のすばらしいアプリだというのなら、どうしてアップル自身がその技術を使った iPhone アプリを書かないのか。

Telling developers that web apps are iPhone apps just doesn’t fly. Think about it this way: If web apps – which are only accessible over a network; which don’t get app icons in the iPhone home screen; which don’t have any local data storage – are such a great way to write software for iPhone, then why isn’t Apple using this technique for any of their own iPhone apps?

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マックだって同じだ

あるいは、iPhone アプリの議論を押し進めて、マックでも同じことをいってみたらどうか。Safari 上で動くウェブアプリを書くことが iPhone アプリを作るすばらしい方法だというなら、同じように Safari 上で動くウェブアプリを書くことがマックのアプリを作るすばらしい方法だとなぜいわないのか。

Or, take Apple’s argument regarding iPhone development and apply it to the Mac. If web apps running in Safari are a great way to write iPhone apps, why aren’t web apps running in Safari a great way to write Mac apps?

クソみたいなサンドイッチしか作れないというのなら、そういえばいい。デベロッパがどんなにラッキーか、それがどんなにすばらしいアプリかなんてことはいわないでくれ。

If all you have to offer is a shit sandwich, just say it. Don’t tell us how lucky we are and that it’s going to taste delicious.

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ウェブアプリでは作れないもの

iPhone が Safari というキラーウェブブラウザを備えているのはすばらしいことだ。iPhone をターゲットとしたスゴいウェブアプリが将来登場するであろうことも疑いない。しかしまた、ウェブアプリなんかでは作れない本格的 iPhone ソフトのアイデアが山ほどあることも間違いないのだ。

It’s great that iPhone seems to have a killer Safari web browser. No doubt there are going to be some terrific web apps targeting iPhone. But there are a ton of great ideas for iPhone software that can’t be done as web apps.

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プロを相手に、本格的ソフトでなくてもウェブアプリでいいじゃないかというのは侮辱だということらしい。

NDA[nondisclosure agreement、守秘義務契約]で縛られた WWDC のクローズドセッションではそのあたりがデベロッパに開示されるのだろうか。

3週間足らず迫った iPhone 発表時に、新しい展開がみられるかどうかも興味深いところだ。

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2007年 6月 12日

重要なのは Leopard ではなく Safari だ:Paul Thurrott

Filed under: アップル,OS — shiro @ 21:32
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[Paul Sakuma, AP]

WWDC 07 を見た Paul Thurrott の感想・・・

Paul Thurrott’s Internet Nexus:”Safari, Not Leopard, is the Real News at Apple Show“:6月11日
WinInfo:”Safari, Not Leopard, is the Real News at Apple Show” by Paul Thurrott:6月11日

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私がここでいいたいことはとても簡単だ。

My contention here is simple.

未来は Leopard にあるのではない。そもそも、そんなことはこれまでもなかった。ウインドウズのユーザーを大量に転向させるほどすばらしかったことなんてなかった。如何なるデスクトップ OS といえども、それが可能だったことはないのだ。

Leopard is not the future. How could it ever be? This isn’t good enough to make Windows users switch en masse. No desktop OS could ever make that happen.

ノーだ、未来は Safari にあるのだ。まず iPhone で動かす。それからたくさんのデバイスで動くようになる。コンピュータだろうと、コンピュータ以外のデバイスだろうと・・・。覚えておいてほしい。ケイタイのマーケットはデスクトップ PC よりはるかに大きいのだ。とても大きい・・・

No, the future is Safari. First, running on iPhone. Later, running on any number of devices. Traditional and non-computer devices. Remember that the cell phone market is much bigger than the market for desktop PCs. This is big.

私のいっていることが、陰謀説のように聞こえるかもしれないのは分かっている。しかしいつの日か、過去を振り返ってこう考える日がきっと来ると思う。デスクトップ OS(複数)について考えるのをやめ、モバイルというウェブベースの未来に焦点をあてることにしたのがまさにこの日であったことを・・・。これは、アップルがこれまでやったことで一番賢明なことだったといえるかもしれない。それにこれまでのところ、気付いているひとはほとんどいないのだ。いまのところは・・・

And yes, I know it all sounds like a conspiracy theory. But I think that we will all look back on this day as the time when we stopped thinking about desktop OSes and focused on the mobile, Web-based future. This might be the smartest thing Apple ever did. And so far, few have even noticed it. Yet.

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気になっていた Leopard のユーザーインターフェイスは、iTunes 風というか iPhone 風に変わったというのが第一印象だった。One more thing… が Safari だったのはそういうわけか・・・

Mac OS X をケイタイ向きに書き換えるには、手間もかかるだろうし、iPhone より先に出すわけにもいかないだろうし、なんとなく Leopard が10月まで遅れたことを納得してしまった。

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WWDC 直前のあれやこれや

Filed under: アップル — shiro @ 08:51
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Wwdc Bingo

予想の新手 Bingo

WWDC を数時間後に控え、各サイトが予想を競っている。その中で新手の予想手法が現れた。
Ars Technica の John Siracusa が、ビンゴゲームスタイルの予想を書いているだ。

Ars Technica:”WWDC 2007 keynote bingo” by John Siracusa:6月8日

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Siracusa の予想項目はつぎのとおり。

• .Mac overhauled
• Bertrand, baby[Mac OS X 開発のトップ Bertrand Serlet がプレゼンをやるか]
• Leopard secrets revealed
• iLife
• Leopard is the star
• VoIP or iChat on iPhone
• Virtualization in Leopard
• “New” Finder in Leopard
• iPhone Widgets[サードバーティへの WebKit-based iPhone development environment も含めて]
• Illuminous[?]
• iPhone Leopard demo
• New look in Leopard[ユーザーインターフェイスの大幅な変更]
• MacBook Thin
• iPhone SDK
• New desktop Mac (not Mac Pro)[新しい iMac を含む]
• Vista ridiculed[Windows Vista をからかう]
• ZFS mentioned
• Universal MS Office demo
• “One more thing…”
• “Boom”[Steve Jobs の口ぐせ]
• Leopard release date[期日まで正確に]
• Leopard != $129
• Leopard secrets remain[ひょっとして触れない]
• New displays with cameras

結構網羅的だが、あなたの予想で入っていないものがあるだろうか。
実際にキーノートを見ながらビンゴゲームに興じたい方のために、こちらから PDF ファイルをダウンロードできる。

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ZFS
ファイルシステムの採用か

Jonathan-Schwartz

Leopard が ZFS ファイルシステム採用するという話が浮上してきた。Time Machine が登場したときからされていたものだ。

Sun の CEO Jonathan Schwartz の発言が発端。そのビデオはこちら。

CNET:” Sun and Apple sharing files“:6月6日

その他の記事は・・・

Ars Technica:”Sun CEO Jonathan Schwartz: ZFS to be the file system in Leopard” by John Timmer:6月6日
BittenMac Log:”Leopardで現実味を帯びるZFSとその魅力“:6月8日
Computerworld.jp:”Leopardのデフォルト・ファイルシステムはZFS——サンCEO、アップルの秘密を事前リーク“:6月8日

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狙い目はウインドウズのデベロッパ

Wwdc2007 Promo

今年の WWDC は、ウインドウズのデベロッパにも狙いをつけていると・・・

Paul Thurrott’s Internet Nexus:”Apple Wants … You! A WWDC 2007 Preview for Windows Developers“:6月9日
Paul Thurrott’s SuperSite for Windows:”Apple Wants … You! A WWDC 2007 Preview for Windows Developers“:6月9日

そしておまけに、今年のショー[WWDC]では予期しないサプライズがある。これまでで初めてのことだが、アプリケーションのマック移行に関心を持っているウインドウズのデベロッパにアップルは特に狙いをつけているのだ。

But Apple has an additional and unexpected surprise for this year’s show. For the first time ever, Apple is specifically targeting Windows developers who are interested in moving their applications to the Mac.

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Jobs のキーノート台本

ドイツのサイトが、明日の[数時間後の]Jobs のキーノート台本をすっぱ抜いたらしい。記事の英訳はこちら。

Daily Tech Talk:”Exact Keynote Transcript for WWDC07 [UPDATED]“:6月11日

ほんとかどうか分からないが、新しいデザインの iMac も登場することになっている。
One more thing… は “iphone@home” だそうだ。

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Joy of Tech Leopard のヒミツ

Jobs Secret

Leopard のヒミツについては、Joy of Tech も黙ってはいられない。

Joy of Tech:”The Secret Features of Mac OS X Leopard!“:6月9日

日本語訳はこちら。

日本語のJoy of Tech:”Leopardのシークレットフィーチャー!“:6月9日

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ああ、神さま仏さま・・・

iPhone の登場を待ちかねるアップルファンの気持ちを Duncan Riley が楽しいビデオにしている。WWDC を待ちかねる気持ちも一緒だ。

TechCrunch:”3 Weeks Until The iPhone Goes On Sale” by Duncan Riley:6月8日
TechCrunch Japanese:”iPhone発売まであと3週間” by Duncan Riley:6月9日

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さあ、いよいよ WWDC の開幕だ!

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2007年 6月 10日

iPhone の隠し味はグーグル?

googleapple2

少し前になるが、iPhone を契機にアップルとグーグルがさらに強固な同盟を組むことを予言したひとがいる。タイムの Jeremy Caplan だ。

Time:”iPhone’s Secret Ingredient: Google” by Jeremy Caplan:6月1日

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隠し味

アップルとグーグルは切り離せない仲となった。YouTube ビデオがまもなく Apple TVで再生できるようになると、今週 Steve Jobs は語った。グーグルは最近、マックユーザー向けのデスクトップ検索プログラムを発表した。グーグルのツールは、6月に登場するアップル特製の iPhone の重要な隠し味(secret sauce)になってきているようだ。

Apple and Google just can’t stand to be apart. Apple CEO Steve Jobs announced this week that Apple TV will soon play YouTube videos. Google recently unveiled a desktop search program especially for Mac users. And Google tools increasingly appear to be a key part of the secret sauce behind Apple’s signature new gadget, the iPhone, set for release in June.

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Gapple

この二つのブランドには熱心なファンがついている。それにグーグルの Eric Schmidt がアップル取締役会に加わっていることもあって、両社はその結びつきの相乗効果を享受するに至っている。これはまさに Gapple[Google + Apple]の力だ。

Both brands are beloved by legions of fans, and with Google CEO Eric Schmidt embedded on Apple’s board of directors, the companies have gotten wise to the benefits of synergistic coupling. Call it the power of Gapple.

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一括登録(universal access

グーグルのモバイル製品マネージャ Sumit Agarwal はつぎのように語る。グーグルはずっとアップルと協同しており、検索その他一連のモバイル向けソフトをユニバーサルアクセス(universal access)に持っていきつつある、と。「一般的にいえば、マックで動くものはすべてモバイルソフトに移行するだろう。モバイル機器の技術が許す範囲内での話だが・・・。」それは、個別にグーグルサービスを登録しなくても済む一括登録(universal sign-on)も含むようだ。

Sumit Agarwal, product manager for Google Mobile, says Google has been working with Apple and is moving in the direction of universal access to its suite of search and software applications on mobile devices. “Generally speaking, everything that you see on Macs, pending the technical ability of the device itself, will migrate into mobile applications,” Agarwal says. That’s likely to include a universal sign-on, so that you don’t have to sign into each of Google’s services separately.

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リアルタイムに本質を捉える

グーグルのモバイルソフトは、大きなソフトをそのまま小さなデバイスに取り込むものではなく、外出中のユーザーが実際に使う基本的な機能に焦点をあてて、必要最小限にスリム化したものとなる。「例えばブロガーについていえば、たくさんのコメントが投稿できることは重要でない。その瞬間の本質を捉え、リアルタイムでシェアできるからだ。スナップ写真を撮って、音声の説明を加えればいい。」

Rather than dumping huge applications onto small devices, Google’s mobile applications are streamlined and stripped down to focus on the primary ways consumers use them on the go. “With Blogger, for example, it isn’t as important that I be able to leave lots of comments, as that I can capture the essence of what I’m doing at that moment and share it in real time,” Agarwal says. “I may want to snap a photo of a monument and store a voice annotation.”

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ウィジェットいろいろ

グーグルとして他にオファーできるものは何か。グーグルリーダー(Google Reader)ウィジェットか。[グーグルが LG と一緒に立ち上げた]ポータルでは最近ブログ閲覧ツールを発表し、オフラインでのアクセスも可能になった。iPhone はリーダーにアクセスできるブラウザを持っているが、高速アクセスができないような場面では、ウィジェットは特に有用だと考えられる。それに今や YouTube が Apple TV で見れるのだから YouTube iPhone ウィジェットなんかどうだろうか。

What else might Google offer? Possibly a Google Reader widget. The portal recently announced that its blog-reading tool can now be accessed offline. And though the iPhone could access Reader through its browser, a widget would be particularly useful when speedy mobile Web access isn’t available. And why not a YouTube iPhone widget, now that YouTube is on Apple TV?

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途中はしょったが、要はグーグルが iPhone にとって欠かせないパートナーになるというわけだ。

アップル・グーグル同盟の噂は、WWDC を一両日後に控えてにわかに大きくなっている。

Wired Blogs [Epicenter]:”A big Google-Apple partnership next week? Bet on it.” by Fred Vogelstein:6月7日

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クラウド・コンピューティング(cloud computing

いつもなら、Steve Jobs がつぎにどんな動きに出るかなどと騒々しく噂をする連中には加わらないのだけれど、今回はどうにも堪(こら)えきれない。Jobs は月曜日にサンフランシスコの WWDC の舞台に立って彼が最も得意とすること、アップルの最新製品について語り、地球上でもっともカリスマチックな CEO としての座を確固たるものにすることになる。彼は多分新しい iPod や iPhone などについて発表するだろう。ひとつだけ、彼が間違いなく発表すると確信していることがある。未来にとって影響の大きいグーグルとの「クラウド・コンピューティング」(cloud computing)に関するパートナーシップだ。両社は、この数か月というも、この点に関してずっとヒントを与えてきた。そしてこのことは実に辻褄(つじつま)が合うのだ。

I don’t typically join the gaggle of folks trying to guess what Steve Jobs’ next move is going to be, but for once I can’t resist. On Monday Jobs is taking the stage at Apple’s worldwide developers conference in San Francisco to do what he does best – tell us all about Apple’s latest products and reinforce his place as the most charismatic CEO on the planet. He’ll probably announced a new Ipod, tell us more about the iPhone  etc etc. One announcement I’m almost sure of, however : A far reaching, cloud computing partnership with Google. Both companies have been hinting about it for months, and it makes perfect sense.

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ドット・マック(.Mac

クラウド・コンピューティング(cloud computing)は、技術の世界でいま最もホットな話題だ。アップルは完全に立ち後れていて、なんとかしなければならないと考えている。アップルはすばらしいハードを作る。しかし、クラウド・ベースのストレージ・サービスである「.Mac」(ドット・マック)については何年も改善できずにいる。.Mac では1年 100 ドルで 1GB のストレージを利用できる。その倍をタダで利用できる時代だというのにこれではお笑い草だ。

Cloud computing is the hot new thing in the world of technology right now; Apple is a complete laggard; and it knows it needs to fix it. Apple makes beautiful hardware, but it hasn’t improved on .Mac, its cloud based storage offering, in years. You get 1GB of storage on .Mac for $100. That’s laughable in an era where you can get double that for nothing.

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グーグルの狙い

一方グーグルは、クラウド・ベースのハードとソフトを世界の誰よりも上手に、かつ安く運用している。どうやって稼いでいるのか。検索サービスやその他のソフトで可能な限りたくさんの利用者を確保することによってだ。想像してみてほしい。マックを買ったひとが自動的にグーグルの無料アカウントを取得し、それから発生することになるアクセスの量を・・・

Meanwhile, Google runs cloud based hardware and software better and cheaper than anyone in the world right now. How does it make money? By getting as many people as possible looking at advertising alongside search and other various software offerings. Imagine all the traffic from the following: You buy a Mac and you automatically get a free Google account.

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得意分野を足し合わせる

グーグルの CEO でアップルの役員でもある Eric Schmidt も、アップルのボスの Steve Jobs も、二人ともその方向に向けて真正面から取り組んでいることを示唆している。私が4月に Schmidt をインタビューしたとき、いずれそういう協力関係になると彼は述べた。「アップルが解決しようとしている問題に対して、我々は完璧なバックエンドを提供できる。彼らのユーザーインターフェイスや消費者に対する判断は大変優れている。しかし彼らは、グーグルが持っているようなスーパーコンピュータ(データセンターのこと)は持っていない。彼らが得意なのはモノを作ることで、それは大変優れているのだ。」

And the hints from Eric Schmidt, Google’s CEO and Apple board member and from Apple boss Steve Jobs point squarely in that direction. Schmidt said in April in an interview with me that he envisioned just such a relationship eventually. “We’re a perfect back end to the problems that they’re trying to solve,” Schmidt told me. “They have very good judgment on user interface and people. But they don’t have this supercomputer (that Google has), which is the data centers. What they have is a manufacturing business that’s doing quite well.”

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失われた時の埋め合わせ

.Mac について Jobs はどう考えているのだろうか。彼は先週のD会議でつぎのように語ってそのことを認めた。「待っていてほしい。あなたのいうことはそのとおりだ。ごく近い将来、我々は失われた時の埋め合わせをするつもりだ。」

Jobs’ response to .Mac’s whithered state? In response to a question last week he actually agreed, adding “stay tuned.” said “I couldn’t agree with you more and we will make up for lost time in the very near future.”

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Dでのクラウド・コンピューティング(Cloud Computing)とリッチ・クライアント(Rich Client)に関する議論はいささか分かりにくかったが、こんな形に発展するものだったのか・・・

アップルにとってグーグルは大きな隠し球(隠し味)であり,その一方グーグルにとってもアップルの魅力は大きいということだ。

イノベーションの最強の組み合わせからは何が生まれるのだろうか。

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参考:

・Time:”iPhone’s Secret Ingredient: Google” by Jeremy Caplan:6月1日
・TheStreet.com:”Apple, Google Connect on iPhone” by Daniel Del’Re:6月7日
・Wired Blogs [Epicenter]:”A big Google-Apple partnership next week? Bet on it.” by Fred Vogelstein:6月7日
・BusinessWeek:”Could .Mac Move To Google?” by Arik Hesseldahl:6月8日
・MacNN:”Apple, Google at WWDC: .Mac, partnership?“:6月8日
・Computerworld:”Opinion: Why a .Mac-Google Apps integration makes sense” by Seth Weintraub:6月8日
・Ars Technica:”Whither .Mac?” by Charles Jade:6月9日

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2007年 6月 8日

新デザインの iMac は出る、出ない

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[New iMac? – Isamu Sanada]

WWDC をあと数日に控えて、Think Secret と AppleInsider が久しぶりにがっぷり四つに組んでいる。

新しいデザインの iMac が WWDC で登場するかどうか、予想が真っ二つに割れているのだ。

Think Secret:”Brushed aluminum iMac due next week“:7月7日

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ブラッシュアルミニュームの iMac 登場

アップルは、新しい iMac のラインナップを来週披露する準備が整ったようだ。このひと月でマックのアップグレードは3度目となる。予想的中率の高い信頼出来る情報筋によれば、新しい iMac はブラッシュアルミニュームの筐体を採用し、6月11日の WWDC 当日ないしはその直近に発表する狙いを定めているという。

June 7, 2007 – Apple is poised to deliver its third Mac revision in less than a month next week when the company takes the wraps off its new iMac line. Sources with reliable track records report the new iMac, wrapped in a brushed aluminum enclosure, is currently tracking for release at or around Apple’s Worldwide Developers Conference on June 11.

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MacBook Pro と共通の部品

iMac がインテルマックとして 2006 年1月に登場して以来、内部部品の多くはMacBook Pro と共通仕様になっている。ということは、先週アップグレードされた MacBook Pro の改良点を当然 iMac も享受できるということだ。インテルの Santa Rosa アーキテクチャの実装も含まれ、これによって、フロントサイドバス(front-side bus)はこれまでのものより20%速く、スピードは 2.4 GHz にも達する可能性がある。

Since the inception of Intel-based systems in January 2006, the iMac platform has shared many of its internals with the MacBook Pro, meaning the new iMac will surely benefit from the same improvements the MacBook Pro received earlier this week. This includes the implementation of Intel’s new Santa Rosa architecture, which features a 20 percent faster front-side bus than the outgoing models and processor speeds up to 2.4GHz.

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17インチモデルはなくなる

前にも述べたように、17インチモデルは新しい iMac のラインナップからは消えて、20インチと24インチモデルだけとなる。現在 1499 ドルの20インチモデルの価格は下がると思われるが、それでもエントリーレベルの17インチモデル(999 ドル)までは下がらないだろう。

As previously reported, the 17-inch model will not be included in the new iMac line-up, which will feature models with 20-inch and 24-inch displays only. Prices will drop accordingly on the models with larger displays, which current start at $1,499 for the 20-inch, but they are not expected to match the outgoing 17-inch Mac’s $999 entry-level price point.

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高級モデルとしての位置づけ

iMac の新しい筐体は、アップルのハイエンドシステムによりマッチしたものとなるだろう。アップルは iMac をより高級モデルとして位置づけし直そうとしているからだ。

The iMac’s new enclosure will better match that of Apple’s high-end systems as the company repositions the iMac as a more premium offering.

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Cinema Display

来週の WWDC では Mac OS X 10.4.10 のアップデートが予定されているが、併せてこの機会に23インチの Cinema Display を iMac と同じパネルを使う24インチモデルに入れ替えるかもしれない。

Also expected at WWDC next week is the Mac OS X 10.4.10 update, while Apple may also take advantage of the timing to replace its 23-inch Cinema Display with a 24-inch model that uses the same panel as the iMac.

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一方、これに対して AppleInsider は否定説を掲げる。Think Secret と異なる論点はつぎのとおり。

AppleInsider:”Poor bets placed on new iMacs at Apple’s developer conference” by Kasper Jade:7月6日

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WWDC での発表はない

この件に詳しいソースによると、アップルで一番売れ行きのよいコンシューマデスクテップマシン[iMac]の徹底的オーバーホールは今年後半を目途に進行中だが、月曜日の WWDC にはまだ時期尚早で、現行モデルの売れ行きを損なう恐れもり、発表はないだろうという。

People familiar with the matter say an extensive overhaul to the top-selling Apple consumer desktop machines remains on track for an unveiling later this year, adding that an introduction during company’s Worldwide Developer Conference on Monday would be premature and serve only to disrupt sales of existing models.

「アップルが、新しい iMac を入手可能になる何か月も前に発表しなければならない必然性はない」とマックメーカーの家電商品戦略に詳しい別のコンタクト先はいう。「iMac にはまだ寿命が残っているようだ。」

“There’s no compelling rationale for [Apple] to pre-announce new iMacs months in advance of availability,” said another contact familiar with Cupertino-based Mac maker’s consumer product strategy. “The current iMacs appear to have some life left in them.”

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WWDC では Leopard に集中する

その代わりアップルは、今度のデベロッパ会合では、次世代 Mac OS X Leopard の「秘密の」機能改良に的を絞るだろう。それは、昨年の会合で初めてちょっとだけ披露されて以来、事前配布のビルドが出るたびにうわさになってきたものだ。

Instead, Apple is expected to use its annual developer gathering to zero-in on “Top Secret” enhancements to its next-generation Mac OS X Leopard operating system that have been lingering beneath the surface of pre-release builds since the software was first previewed at last year’s conference.

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流通状況も変化なし

火曜日に MacBook Pro がアップデートされる直前のサプライチェーンの様子と違って、iMac については流通に特段の変化はなく、入手状況も普通だ。加えて、大量購入のディーラーも、かなり先までちゃんと入荷できる予定だという。

Unlike a supply-chain pattern that manifested in the weeks and days leading up to Tuesday’s MacBook Pro revamp, checks into the availability and channel flow of existing iMac models revealed no disruptions and normal availability. Additionally, high-volume dealers are expecting an uninterrupted stream of iMac shipments for the foreseeable future.

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よく読むと、Think Secret と AppleInsider が異なるのは、来週の WWDC で発表されるかどうかという点だけのようだ。

・ブラッシュメタルの新デザイン

・Santa Rosa アーキテクチャの採用

・17インチモデルはなくなる

などはいずれも共通だ。

こうなると iMac に大幅なデザイン変更が加えられるというのはどうも本当らしい。

では、WWDC で発表されるのかどうか。

アップルの発表は常に一歩ずつの積み重ねで、決して一度にすべてを出したりはしないこれまでの状況を見ると、AppleInsider の方に分がありそうな気がしないでもない。

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少し視点を変えてみよう。

WWDC 最大のテーマ Leopard の披露は、どのデモマシンを使って行われるのだろうか。

ひょっとして前触れなしに発表された8コアの Mac Pro が、Leopard の登場によって遂にその実力を発揮するのか。

それとも、Leopard 時代にふさわしい実力を備えた iMac が新たに登場するのか。

より高級モデルとして位置づけるという点がどうも気になる。

これはもう、月曜日の来るのが待ち遠しい・・・

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追記:

Think Secret の最新の記事には追加がある。

アップデート:情報筋はアップルが来週[iMac の]発表を行なう計画であると確信しているが、発表日時には変更があったもしれない。もしその場合には、アルミの iMac は翌週に出る可能性が高い。

Update: While sources are confident that the company’s plans have called for an announcement next week, they caution that the release schedule may have changed. If that proves to be the case, the aluminum iMacs would presumably follow in the ensuing weeks.

当初の記事に比べて Think Secret はいささか後退したようだ。いずれにせよ、あと数日すればハッキリする。

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2007年 6月 4日

Leopard の秘密はウインドウズか

Filed under: アップル,OS,仮想化 — shiro @ 21:53
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leopard_secret

いよいよ WWDC まで一週間を切った。

Leopard の秘密はウインドウズではないかと、ビジネスウィークの Arik Hesseldahl が書いている。

BusinessWeek:”Buzz Building On Secret Features In Leopard” by Arik Hesseldahl:6月1日

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二つの出来事

Leopard でウインドウズはどう扱われるのか、6月11日の WWDC で Jobs は何を語り、何を語らないか、という予想に影響を与える二つの大きな出来事が今日あった。

So there’s a double-whammy today in the way of speculation on the subject of Windows functionality in Leopard, and what Steve Jobs may or may not say at WWDC on June 11.

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バーチャルマシンをテスト

American Technology Research のアナリスト Shaw Wu が、この件に関する分析ノートを今日出した。それによれば彼は依然として、Leopard が10月まで遅れたのは iPhone が原因ではなくて、マックの OS 環境で複数の OS をシームレスに動かすバーチャルマシンを Leopard でテストしているためだと信じている。このことは売り上げを大幅に伸ばすきっかけとなるだろうと彼はいう。

Shaw Wu of American Technology Research in San Francisco has a new research note out today on the subject. He continues to believe that the reason that Leopard was delayed until October has less to do with the iPhone and more to do with testing virtual machine technology within Leopard that would allow the seamless operation of several operating systems within the Mac OS environment at once. That he says, could turn out to be a major sales catalyst.

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ウインドウズがなくてもアプリが動く

Wu の分析ノートが出る前日、 Crunchgear の Matt Hickey は「バカげて正気とは思えない噂」というエントリーを書いた。これは、ウインドウズがなくても Leopard 上でウインドウズのアプリケーションを動かせる可能性について空想した Les Posen のエントリーについて触れたものだ。

Wu’s note hit the wires a day after Matt Hickey at Crunchgear blogged about “A stupid, insane Mac rumor” keyed in part off this Blog post by Les Posen who is fantasizing about the possibility that Leopard would be able to run Windows applications without Windows.

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コヒーレンスモードを一歩進めるだけ

実のところ、そう考えるのはたいして難しいことではない。Parallels for Mac の最新バージョンで可能になった「コヒーレンスモード」(Coherence mode)を考えてみよう。コヒーレンスモードでは、ウインドウズのデスクトップ環境は隠されているので、ウインドウズのアプリケーションはマックのデスクトップ上のウインドウの中で動いているようにしか見えない。

Say what? Well, its really not that hard to imagine, actually. Consider the Coherence mode available in the latest versions of Parallels for Mac. When in Coherence mode, the Windows desktop environment is shunted aside, and all you see is the Windows application you happen to running, but within a Window directly on your Mac desktop.

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ゲームではすでに可能

ここで Cider が登場する。これはウインドウズのゲームをマックで直接動かせるようにするゲーム開発環境だ。Cider を使うとゲームの移植(port)が不要となる。普通のことばでいえば、ウインドウズのゲームをマックで動くようにするため、ほぼ完全に書き替えなくてもいいことを意味する。ウインドウズの二つのゲームソフト(Heroes of Might and Magic VMyst Online: URU Live)がすでに Cider で、したがってインテルマックで動かせるようになっているという。

Then there’s Cider a gaming development environment that allows Windows games to be adapted for running on the Mac directly, without the need to “port” the game — which in English means taking a Windows game and then rebuilding it more or less from the ground up for the Mac. Already two Windows games, Heroes of Might and Magic V and Myst Online: URU Live are said to be Cider-enabled, and as such playable on an Intel Mac.

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定番 Boot Camp Fusion

これに加えて、VMWare の Fusion for the Mac やアップル自身の Boot Camp があるというわけだ。これらは Leopard ではさらに強力になっていると思われる。

On top of this, there’s VMWare Fusion for the Mac, and Apple’s own Boot Camp, which could conceivably be vastly improved in Leopard.

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ウインドウズをインストール済のマック

これらすべてを考え合わせると、サードパーティのベンダーがやったのと同じことをアップルがやってもおかしくない。すなわち、ウインドウズをインストール済のマックを、CTO[Configure To Order、注文仕様生産]モデルのようなオプションとして売るのだ。[注:ウインドウズをインストール済で、各種設定も不要、箱から出してすぐ使えるという意味?]私自身先月この話を耳にしている。こういった需要があることは明らかだ。さもなくば Parallels は成功しなかっただろうし、VMWare も Fusion を作ったりはしないだろう。

All of this activity leads me to wonder if perhaps Apple might do as some third-party vendors have done — I heard about one last month — and offer Macs with Windows installed and configured on board as a configure-to-order option. Clearly there’s a demand for it, or Parallels wouldn’t be successful, and VMWare wouldn’t be building Fusion.

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バーチャルマシンは福音だ

マックにおけるウインドウズのプレゼンスを最小限に抑え、かつ、希望するアプリケーションを見えないバーチャルマシン内で信じられないほど簡単に動かす、そんな方法をアップルが可能にするなら、私みたいな人間にとってそれは革命以外の何ものでもない。だって私は、ウインドウズと OS X の二つのコンピュータの間を行き来するのに大変な時間を費やしているのだから。Shaw Wu のいうバーチャルマシンの技術が Leopard の「秘密の機能」だというのなら、これはもう大変なニュースだ。

If there is some way that Apple could minimize the presence of Windows within the Mac, and make it incredibly easy to run pretty much any application you want within a largely invisible virtual machine, that would be nothing short of revolutionary for people like me who spend a great deal of time shuttling between two computers — one running Windows and one running OS X. If a virtual machine technology is as Shaw Wu suggests the marquis “secret feature” of Leopard it would indeed be very big news.

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2006年 9月 17日

元気をとりもどした Steve Jobs

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[Jobs at Special Event, Sept. 12, 2006]

John Gruber が、9月12日のスペシャルイベントを積極的に評価しているが、その中で Steve Jobs についておもしろいコメントをしている。

Daring Fireball:”Showtime: The Big Picture” by John Gruber:9月13日

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ほぼ期待どおりの Showtime

アップルは、昨日の “Showtime” イベントで、みんなのすごい期待に応えなければならなかった。

Apple came into yesterday’s “Showtime” special event with an awfully high set of expectations to meet…

昨日の発表はみんなの期待にほぼ応えるものだった。確かに奇跡は起きなかった。新しい iPod のスクリーンは大きくなかったし、iTunes ムービーストアはディズニーの 75 作品だけで、待ちに待ったテレビとつなぐ未発表製品(missing link to the TV)は来年までお預けだった。しかしながら、いつ始めてもおかしくない映画ビジネスにアップルが参入したという点からみると、実に幸先のいいスタートを切ったことは明らかだ。

Yesterday’s announcements came remarkably close to satisfying all of these expectations. They haven’t performed any miracles — the new iPods don’t have larger screens; the new iTunes movie store debuted with only 75 titles, all from Disney; and the long-awaited missing link to the TV isn’t shipping until next year — but it was clearly an auspicious start to Apple’s inevitable entry into the movie business.

John Gruber の “Showtime” を評価する視点も大変おもしろいのだが、ここでは割愛して、Steve Jobs について触れているところに進もう。

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やる気のなかった WWDC

lieutenants

Steve Jobs は、ひと月前の WWDC で、プレゼンテーションの大部分を三人の副官たちにまかせた。Phil Schiller は Mac Pros を、Scott Forstall は開発中の Mac OS X 10.5 の新しい機能紹介とデモを、Bertrand Serlet はマイクロソフトバッシングを行なった。WWDC では、Jobs があまりやる気がないように見え、かつまた体重が減ったように見えたことから、最近膵臓がんを患ったという恐ろしい記憶と相俟(あいま)って、Jobs は病気ではないかというが広がった。病状が進んで疲労がひどいので、キーノート全部をひとりでこなすのはムリだとか、アップルのショーマンの役ができる後継者を育てているのではないか、などという噂が流れた。この噂はずいぶん尾を引いたので、「Jobs は元気ぱりぱりだ」とアップルが声明を出したほどだった。元気なことは結構なのだが、それにしてもなぜ WWDC のプレゼンテーションをタッグチームでやったのかは不明だった。

At the WWDC keynote a month ago, Steve Jobs delegated much of the presentation to three of his top lieutenants: Phil Schiller introduced the Mac Pros, Scott Forstall introduced and demoed many of the new features coming in Mac OS X 10.5, and Bertrand Serlet did all the Microsoft bashing. This — combined with the fact that Jobs, at WWDC, struck many as not quite fully enthused and appeared to have lost some weight ム fueled speculation that he was ill, a scary thought given his recent bout with a rare but treatable form of pancreatic cancer. The theory being that he was either too ill or too tired to conduct the entire keynote solo, and/or that he was beginning to groom potential successors for the role of company showman.2 This rumor had enough legs that Apple issued a statement that “Steve’s health is robust”, which is great, but doesn’t explain the tag-team WWDC keynote presentation.

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[Jobs at WWDC, Aug. 7, 2006]

私の考えはこうだ。Jobs は今年の WWDC キーノートがイヤだった。なぜなら彼はまだ仕上がっていないものを見せるのを嫌うからだ。現在進行中の仕事について語るのが好きなひとや会社もある。しかし、Jobs は(従ってアップルは)そうではない。現在の10.5 シードの仕上がり状況と 2007 年春という出荷予定日を考えると、Leopard はとても完成したとはいえない。しかし WWDC に出席している誰もが次期プラットフォームの改訂に係わっているのだから、Leopard はキーノートでもカンファレンスでも、その中心テーマたらざるを得ない。

My theory is that Jobs hated this year’s WWDC keynote, because he hates showing unfinished work. Some people, and some companies, love to talk about work in progress. But not Jobs, and, therefore, not Apple. Given the state of the current 10.5 seed and the estimated “spring 2007” ship date, Leopard is obviously far from finished. But as the next revision of the platform that everyone attending WWDC works on, it had to be the central theme of both the conference and the keynote.

Jobs の並外れた売り込みの手腕と、かの有名なる「現実歪曲空間」(reality distortion field、現実歪曲オーラ、催眠術)のせいで、彼を才能ある「うそつき」(fabulist)だと思うひともいる。それは間違いだ。私の考えるところ、Jobs はうそつきとしても役者としてもまるで下手だ。なにか本物でないもの、あるいは実際以上に誇張したものをひとに信じ込ませることができるとしたら、それは彼が自分自身の喋ることを信じているからだ。現実歪曲空間なるものは彼が意図してやっているのではない。自分が確信したことの延長上にあるのだ。昨年彼がやった Motorola Rokr(iTunes と互換性のある電話)のステージデモを覚えているだろうか。彼がそのデバイスを軽蔑しているのは明らかだった。音楽再生モードから受信モードに切り替えるのを失敗したとき、Jobs はそれをステージの外へおっ放り出して、このガラクタめと叫ぶのではないかと思われたほどだ。

Jobs’s extraordinary marketing savvy and famed reality distortion field leave some people with the impression that he’s a talented fabulist. That’s wrong, though — Jobs, in my opinion, is a terrible liar and a poor actor. When he’s able to convince people of things that aren’t true, or that are exaggerations of the truth, it’s because he believes what’s he saying. The reality distortion field isn’t something he projects willfully; it’s an extension of his own certainty. Remember his on-stage demo last year [of the Motorola Rokr] iTunes-compatible phone? His contempt for the device was palpable; when he failed to successfully switch from song playback to accept a call, he seemed poised to just toss the thing off-stage and cry out that it was a piece of garbage.

もし Jobs が WWDC のステージでなんとなく「やる気がない」ように見えたとしたら、それは実際彼にやる気がなかったからだ。まだ発表する段階に達していない Leopard の諸機能をみんなに見せて楽しむ気にはなれなかったのだ。だから Forstall にやらせてよかった。Forstall は完成半ばの 10.5 を WWDC でデモるのを心底楽しんでいるようだった。

If he struck you as at least somewhat unenthusiastic on-stage at WWDC, I say it’s because he was unenthusiastic, because he really couldn’t bring himself to be happy about showing these Leopard features that aren’t ready to be shown.3 Better then, to trot out Forstall, who seemed to have genuine enthusiasm for the 10.5 works-in-progress demonstrated at WWDC.

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Showtime では生き返った

昨日の「Showtime」は、前とは異なっていた。舞台における Jobs の才能を如実に示す格好の例だった。先月の WWDC と違って、これらの製品は完成されたものであり、Jobs の完璧な物差しからみても満足すべきものだった。 iTV のデモは明らかに例外だった。しかし、これは特異なケースだ。出荷までまだ数か月のものを発表した理由がなんであれ、アップルとしては本当は今の段階で見せたくなかったのじゃないかと私は思う。Vaporware[注:宣伝ばかりが派手に行われ、いつまでたっても出荷されない製品]が前びろに発表されると、現在入手可能な製品から消費者の目を背けてしまうことになる。しかしこのケースの場合、今発表しなければならないとアップルが感じたのだと思う。もしそうしなければ、「このビデオをテレビで見るにはどうしたらいいの」という疑問への解答がなく、折角の iPod や iTunes の発表が、iTV という Vaporware より、ずっと損なわれる結果になってしまっただろう。

Yesterday’s “Showtime” event, however, was another story. File this one away as a primo example of Jobs’s on-stage talent. The difference from last month’s WWDC is that these are products that are done, that have already been raised to satisfy Jobs’s impeccable standards. The iTV demo was clearly an exception, but it is a unique case. Whatever the reason for its months-away ship date, I don’t think Apple really wanted to show it now. Vaporware pre-announcements distract customers from currently available products, but in this particular case I think Apple felt they had to reveal this now, because if they hadn’t, the lack of an answer to the “But how do I play these videos on my TV?” question would been more of a distraction from yesterday’s iPod and iTunes announcements than the iTV vaporware announcement was.

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アップルの発表は常に一歩ずつの積み重ねで、決して一度にすべてを出したりはしないという、このあとに続く下りも、また最後の注記もたいへん興味深い。

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2006年 8月 25日

膨らみ過ぎた期待

Filed under: アップル,イベント,ウワサ — shiro @ 19:00
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先日の WWDC の発表にがっかりしたって? 問題は発表された内容じゃなく、あなたの過度の期待にあったのじゃないか、と Macworld の Christopher Breen はいう。

Macworld:”Not-so-great expectations” by Christopher Breen:8月8日

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私にとって、月曜日の WWDC キーノートは完璧に満足のいくものだった。たぶん、新しい iPod とか、アップルブランドの携帯電話、同じくアップルブランドの tablet コンピュータやマルチメディアボックス、それにアップルブランドの健康冷凍食品など、そんなものを期待していなかったためだろう。私にとっては期待どおりのものだった。 Mac Pro や Xserve というインテルマックへの移行完了であり、Leopard の新しい機能の一部を垣間みたことだ。

In my mind, Monday’s offering was a perfectly satisfactory keynote. But maybe that’s because I wasn’t expecting a new iPod, an Apple-branded phone, an Apple-branded tablet computing device, an Apple-branded multimedia set-top box, and Apple-branded line of organic frozen foods. I was expecting pretty much what I got—the completion of the Intel-based Macintosh line with the introduction of the Mac Pro and Xserve and a glimpse at some of Leopard’s new features.

十分注意して見ていれば、物事の進み具合は最近は予想したとおりになるのだ。アップルがどこで、なぜ発表やキーノートを行うのか、あなたにはよく分からない、ミステリーだというのなら、一年のサイクルにしたがって、はっきりと説明してあげよう。

And honestly, if you pay attention, that’s pretty much how things are done these days. If the whys and wherefores of Apple’s announcements and keynotes are a mystery to you, let me spell it out clearly by the seasonal year:

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冬:Macworld Expo

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Expo はコンシューマのためのショーだ。クールで比較的軽いものが発表される。ここで発表される確率が高いのは、新しい Mac や iPod、iLife/iWork のアップデート、iChat のようなコンシューマ的アプリのカスタマイズ、それにコンシューマの視点からみた次期 OS の新しい機能(直前の夏の WWDC はデベロッパの視点からみたもの)などだ。もし「One More Thing」があるとすれば、このキーノートで登場する可能性が一番高い。

Winter: Macworld Expo

Expo is the “consumer’s show,” the exposition where Apple shows off cooler and lighter fare. Here you can expect announcements of brand new Macs, iPods, iLife/iWork updates, consumery application tweaks (iChat, for example), and the consumer’s look at an upcoming major revision of the Mac OS (following the Developer’s look at WWDC the previous summer). If there’s going to be a “One More Thing” slide, this is the keynote in which it will most likely appear.

冬:全米楽器商協会(NAMM)ショー

このトレードショーは Macworld Expo の数週間あとに行われる。ここでは音楽関連のアプリケーション(主として Logic Pro や Logic Express)とかハードウェアが発表される。

Winter: National Association of Music Merchants (NAMM) Show

At this trade show taking place a couple of weeks after Macworld Expo, Apple shows off its music-related applications—largely Logic Pro and Logic Express—and some of its hardware.

初春:全米放送事業者協会(NAB)大会

この催しでは、アップルのプロ向けビデオ制作アプリケーションに関連したものが期待される。

Early Spring: National Association of Broadcasters (NAB) convention

Look for announcements and releases related to Apple’s pro video applications at this event.

晩春:学校関係の購買時期

アップルが教育機関向けに新しいマックを準備中なら、この時期に耳にすることになる。

Late Spring: School buying season

If Apple’s got a new Mac for schools in the pipeline, this is when you’ll hear about it.

夏:WWDC

wwdc06

夏の Macworld Expo はなくなったので、年一度の WWDC(Worldwide Developer Conference)の機会を使ってアップルは、デペロッバ向けに情報をアップデートしたり、主要メディア向けにアップルの最新事情を説明する。WWDC の焦点はデベロッパにあるので、Jobs は純粋にコンシューマ向けのもの(iPod や iLife など)を避けて、ハイエンドのハードウェアとか OS の世界の話に時間を割く。今週の発表がそうだった。

Summer: WWDC

Now that there is no summer Macworld Expo, Apple uses its annual Worldwide Developer Conference to update developers and the mainstream press on what it’s up to. Because the focus of WWDC is developers, Jobs tends to stay away from strictly consumer items like the iPod and iLife and, instead, spends time talking about the company’s high-end hardware and OS space, as illustrated by this week’s unveilings.

アップルは、スペシャルイベントをやると発表するだけで、いつでも好きな時期に主要メディアの注目を集めることが可能になった。WWDC の最後に「One more thing」を必要とする時代は終わったのだ。

Apple is now in a position to muster the attention of the mainstream press at any time of its choosing by announcing a special event. The days when Jobs needs to tack on a “One more thing” to the end of a WWDC keynote are over.

初秋:フランスの Apple Expo

アップルは、欧州マーケットの状況(例えば EU における iTunes や Apple Store の拡大ぶり)を説明するためパリに行くのが通例だ。WWDC キーノートで発表したことの焼き直しをやることもある。アップルは好きなときにスペシャルイベントを満席にできるので、フランスでの Apple Expo はビッグな発表をする場ではなくなった。

Early Autumn: Apple Expo France

Apple generally uses its time in Paris to talk up what it’s doing in the European market—iTunes and Apple Store expansion in the EU, for example. You may also get a rehash of some of the material offered during the WWDC keynote. Now that Apple can call well-attended special events, Apple Expo France isn’t the place to look for Big Announcements.

中秋:コンシューマ製品のスペシャルイベント

クリスマスツリーの下におく商品[注:クリスマスプレゼント]にしてもらいたいと思う会社ならどこでそうだが、クリスマスに間に合うようにホットで新しい製品を出す必要があることをアップルも心得ている。9月、10月は、アップルが新しい iPod やピカピカの製品を発表する月だ。

Mid-Autumn: Special events for consumer products

Like any other company whose products are likely to be found under December’s decapitated Douglas Fir, Apple understands the need to have hot new products out in time for the High Holidays. September and October are the months when Apple creates special events to announce and release new iPods and other consumer gewgaws.

中秋:オーディオ技術学会 AES)大会

アップルは10月の AES 大会によく出展する。プロ向けのオーディオソフト(Logic や Soundtrack)やハイエンドのビデオソフト、より強力なコンピュータなどをそこで出展する。

Mid-Autumn: Audio Engineering Society (AES) convention

Apple is generally well represented at October’s AES convention where it shows off its professional audio applications (Logic and Soundtrack), high-end video applications, and more-powerful computers.

こうしてまた Macworld Expo に戻り、新しいサイクルが始まる。

And then back to Macworld Expo where the cycle begins anew.

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アップルが革新的で、極端に秘密主義だからといって、そのやることが予測できないという訳ではない。次にくるプレゼンテーションで発表される基本的なものがなにかということは、アップルの製品とプレゼンテーションのサイクルを併せ考えればある程度合理的に予想がつく。そういう過去の例がたくさんあるのだ。それ以上のこと、即ちガッカリするのを避けるコツは、理不尽に膨らむ期待を抑えることだ。

Just because Apple’s innovative (and highly secretive) doesn’t make its actions unpredictable. We’ve had plenty of evidence of how Apple’s product and presentation cycles work to make reasonable guesses about the fundamental elements of upcoming presentations. Beyond that, the trick to avoiding disappointment is keeping unreasonable expectations in check.

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このサイクルでいうと、次はフランスの Apple Expo だ。

過度の期待を煽るものが出てきたら、ご用心、ご用心!

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2006年 8月 23日

プロの視点:John Siracusa の場合

Filed under: ひと,イベント,OS — shiro @ 20:27
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wwdc

Steve Jobs の WWDC キーノートに熱い視線を注いでいたひとたちがいる。その一人が John Siracusa だ。

FatBits:”Time Machine and the future of the file system” by John Siracusa:8月15日

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キーワードはタイムマシン

「タイムマシン」というキーワードを聞いた瞬間、John Siracusa の頭の中が弾けてつぎのような連鎖反応が起きたという。

タイムマシン・・・タイムトラベル・・・時を遡り古いバージョンのファイルを取り戻す・・・過去に存在したファイルシステムの状態を見る・・・なんてことだ!スナップショットだ!Leopard に新しいファイルシステムができた!Leopard の新しいファイルシステムだ!

Time Machine….time travel…go back in time to get older versions of files…to see the state of the file system as it existed in the pastOMG, snapshots! New file system in Leopard! New file system in Leopard!

ファイルシステムマニア(file system nerd)なら、「スナップショット」(snapshot)が今使われているファイルシステムに簡単にくっつけられる代物ではないことを知っている。HFS+ はオリジナルが持っていた能力を遥かに超えて拡張されている。スナップショットの追加は拡張の範囲を大きく超えてしまうだろう。したがって、スナップショットがあるということは新しいファイルシステムを前提にしているのではないか。

File system nerd knows that snapshots are not the kind of feature that’s easy to tack onto an existing file system. HFS+ has already been extended significantly past its original abilities. Trying to add snapshots is probably one extension too far. So snapshots probably mean a new file system.

タイムマシンのデモが進行しても新しい「ファイルシステム」ということばは出てこない。そこで John Siracusa は考える。

まてよ、アップルが何も言わないということは、ひょっとしたら誰かほかのひとが作ったものを使っているのではないか。もしかしたらアップルは、Leopard で ZFS[注:オープンソースのフリーのファイルシステムで、Sun Microsystems が Solaris OS のために開発]に移行しようとしているのではないか。

Wait! Maybe Apple didn’t say anything about a new file system because the one they’re using was created by someone else. Maybe Apple is moving to ZFS in Leopard!

この数週間というもの、マックのフォーラムやブログの住人たちは、アップルが ZFS に移行しつつあると信じたように思える。Time Machine は、みんなが期待していたこのことを公式に認めるものではないのか。「zfs leopard snapshots」をググってみれば、Time Machine がアナウンスされたときどれほど沢山のひとが同じことを考えたか分かる。ジクソーバズルのようにすべてのピースがぴったりはまる。・・・ そうでなかったのはつくづく残念だ。

In the past few months, it’s seemed like accepted wisdom among the denizens of Mac web forums and blogs that Apple was moving to ZFS. Time Machine seemed like an official confirmation of what everyone expected. Just google for “zfs leopard snapshots” to see how many people came to the same conclusion when Time Machine was announced. All the pieces fit. Too bad it’s not true.

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みんなが期待した新しいファイルシステムとはなにか。John Siracusa は ZFS や ReiserFS[注:GNU/Linux がサポートするファイルシステムで、Namesys の Hans Reiser チームが開発]を例に挙げながらつぎのように説明する。

zfs

[ZFS – The Last Word in File System]

新しいファイルシステムとは

ひとことでいえばそのとおりだ。HFS は時代の最先端をいくパーソナルコンピュータのファイルシステムだ、・・・いや、だったのだ。21年前に発表されたときには、だが。HFS+ はまだ8年しかたっていない。ただし、その設計デザインの多くは HFS に基づいている。その後多くの進展がみられた。多くの追加がなされてもなお HFS+ にはない次のような機能が、最新最良のファイルシステムにはある。

・非常に小さいファイルの効率的保存と処理

・プールストレージモデル(pooled storage model)による論理的なボリューム管理

・全てのデータをチェックサム(checksum)するデータの一体化

・スナップショット(snapshot)

In a word, yes. HFS was a state-of-the-art personal computer file system when it was first released…twenty-one years ago. HFS+ is only eight years old, but it’s built on many of the design decisions of HFS. Progress marches on. Today, there are new capabilities that the best modern file systems have, but that HFS+, even with all of its recent additions, does not. Here’s a short list.

• Efficient storage and handling of very small files.

• Logical volume management through a pooled storage model.

• Improved data integrity using checksums on all data.

• Snapshots.

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スナップショット

スナップショット(snapshot)とは、特定の時点におけるファイルシステム全体の状態を保存したものだ。バックアップと同じに聞こえるかもしれないが、重要な点で違いがある。

Snapshots. A snapshot preserves the state of an entire file system at a given point in time. This may sound a lot like a backup, but there are some important differences.

まず第一に、スナップショットはいかなる時点についてであれ、ファイルシステム全体の状態を、ファイルひとつひとつに至るまでそのままの状態で保存する。そういう意味で完全に自己完結的だ。

First, a snapshot is entirely self-consistent, exactly preserving the state of each file at a particular instant in time across an entire file system. A traditional backup running on an active file system makes no such guarantees without invasive locking schemes or the even more onerous requirements.

さらに、スナップショットはバックアップに比べ相当効率的にスペースを使う。変更された個別のディスクブロック(disk block)を記憶するだけなので、従来のバックアップに比べほんの少しのスペースを使うだけだ。

Second, snapshots are considerably more space-efficient than backups. By recording only the individual disk blocks that have changed, a snapshot takes a fraction of the disk space required by a traditional backup.

最後に、多分これが一番大切なのだが、バックアップを完全にしようとすれば、ファイルシステムのサイズが大きくなるにつれてバックアップにかかる時間も大きくなる。ところがスナップショットなら、ファイルシステムの大きさに関係なく一定の時間しかかからない。スナップショットが「瞬間的」といわれることが多いのはこのためだ。通常スナップショットにかかる時間はとても短いので、スナップショットにはまったく時間がかからないように見える。しかも、覚えておいてほしいのだが、ディスクが大きくなってもかかる時間は増えないのだ。

Finally, and perhaps most importantly, while a full backup takes an amount of time that’s proportional to the size of the file system, a snapshot can happen in constant time, regardless of file system size. This is why you’ll often see snapshots referred to as “instantaneous.” The time required is usually so small that a snapshot appears to take no time at all. And remember, this time does not increase as disks get bigger.

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Time Machine は新しいファイルシステムとは無関係だった

Time Machine は、ZFS を使っている訳ではない。最初はこの点について大きな混乱があった。それは Leopard が DTrace(もうひとつの有名なオープンソースプロジェクトで、Sun の OpenSolaris に遡る)を移植したものを部分的に含んでいるためだ。しかし、ZFS がないからといってショックではなかった。

Time Machine does not use ZFS. There was a lot of initial confusion about this, partially because Leopard does include a port of DTrace, the “other” high-profile open source project to come out of Sun’s OpenSolaris efforts. But the absence of ZFS was no surprise to me.

私は ZFS の移植を額面どおりに受け取っていた。HFS+ の後継ではなく、これまでとは異なったファイルシステムが移植されると。どうせ Leopard には間に合わないだろう。で、私が期待したのは、アップルから新しいファイルシステムが出るのではないかということだった。移植されたものではなく、オープンソースのファイルシステムをいじったものでもない、アップルのエンジニアチームによる、自家製の、まっさらで、クールなファイルシステムのことだ。残念ながら、そうはならなかった。

I took the ZFS port at face value—as a port of a foreign file system, not as a replacement for HFS+ (certainly not in the Leopard time frame, anyway). But what I did expect was a new file system from Apple. Not a port or a fork of an open source file system, but a brand-new, home-grown, kick-ass file system created by Apple’s own team of engineers. Unfortunately, that didn’t happen either.

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Time Machine とはなんだったか

読者はもうお分かりのように、結論をいえば、Time Machine は新しい現代的なファイルシステムのいかなるものも使っておらず、そのスナップショットをベースとするものでもなかった。そうではなくて、旧来の HFS+ 上で動く自動化されたバックアップシステムなのだ。Time Machine のある時点でのビュー(point-in-time views)とは、実は外付けディスクないしはサーバーの「スパースディレクトリ階層」(sparsely populated directory trees)なのだ。それは、書き換えられなかったディレクトリのハードリンク(hard link)と、最後のバックアップ以降に書き換えられた少数のファイルの完全コピーで構成されている。

The upshot, as readers probably know by now, is that Time Machine is not an interface to file system snapshots built on any sort of new, modern file system. Instead, it’s an automated backup system that works with plain old HFS+. The point-in-time views in Time Machine are actually sparsely populated directory trees on an external disk or server containing mostly hard links to unchanged directories, plus full copies of the few files that have been created or modified since the last backup.

Mac OS X 10.0 がリリースされたとき、アップルは HFS+ に旧来のハードリンク(hard link)、すなわちファイルへのハードリンクを付け加えた。Leopard では、HFS+ は任意のディレクトリについてもハードリンクを作成できる。私の知る限り、ほかの Unix ライクな OS ではこういう機能は全く見られない。Time Machine は次のようにして「スパース階層」を作成する。最初のバックアップでは完全コピーを作る。それ以降のバックアップには、[書き換えられた部分のコピーに加え、]書き換えられなかった部分のハードリンクが含まれる。

Apple added traditional hard links (that is, hard links to files) to HFS+ back before Mac OS X 10.0 was released. In Leopard, HFS+ supports the safe creation of arbitrary hard links to directories as well—an ability wholly alien to any other Unix-like operating system that I can think of. This is how Time Machine builds its sparse trees. The very first backup is a full copy. All subsequent backups contain hard links to the unchanged portions of the previous backup.

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過去のしがらみを断ち切った Time Machine

Time Machine の最も目立つ特徴[注:スナップショット]は、下部構造のファイルシステムやコピーエンジンとは全く関係ない。これまでの[バックアップソフトに見られる]「ユーティリティアプリケーション」モデルは、多くのひとに対し心理的プレシャーや混乱を与えてきたが、アップルはそれから解き放ったのだ。

The most significant feature of Time Machine has nothing to do with the underlying file system or copy engine. Apple has set backups free from the traditional “utility application” model that so many people find intimidating and confusing.

バックアップ自体を自動化することはとても簡単だ。ほかの多くのバックアップソフトもそうやっている。アップルの巧いところは、復元のプロセスを、これまた従来のバックアップ専用ソフトがもつ繰り返し作業から解放したことだ。簡単で、楽しくなるようなインターフェイスを使って、標準的なファイルマネージャの中で簡単にファイルが復元される。もっといいことに、アップルのアプリケーションのみならず、ほかのアプリケーションでもデータ復元が可能だ。サードパーティのデベロッパは、彼らのアプリケーションに Time Machine を取り込むことが出来るのだ。

Making the actual backup process automatic is pretty easy. Lots of existing backup products do that. The ingenious bit is that Apple has made the recovery process similarly free of any interaction with a dedicated backup application. Files are recovered from a simple—fun, even!—interface right in the standard file manager. Even better, data can be recovered from within individual applications, and not just those from Apple. Third-party developers can also integrate Time Machine into their applications.

ついで John Siracusa は、Macworld の Rob Griffiths が指摘した Time Machine の問題点についても同じように触れているが、ここでは割愛する。

むしろおもしろいのは、Time Machine のデモを見ながら想像したというつぎの点だ。

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マイクロソフトだったら・・・

Time Machine のデモを見ながら考えていたことといえば、これがアップルでなくマイクロソフトが同じことをやったとしたらどんなインターフェイスになっただろうかということだった。私が想像したのは、つぎのようなファイル復元ウィザード(File Recovery Wizard)だった。復元するフォルダのコピー元、コピー先を特定するため、たくさんの日付指定やブラウズボタンが付いている。5段階にも及ぶステップが完了すると「完了」ボタンをクリックすることになる。ひょっとしたらワンちゃんのアニメも付いてくるかもしれない。

When I saw the demo of Time Machine, all I could think of is what kind of interface the same set of basic requirements would have produced if created by Microsoft instead of Apple. I pictured some sort of File Recovery Wizard, replete with date-picker widgets and multiple “Browse…” buttons to select target and destination folders. The five-step process would end by clicking a button named “Finish.” There may or may not be an animated cartoon dog.

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スナップショットの利点

すべてはスナップショットに話が戻るのだ。もう一度いうが、スナップショットはバックアップとは異なる。スナップショットを使えば、Time Machine のような自動化されたバックアップシステムをより効率的にできる。スナップショットの機能をもった(snapshot-enabled)ファイルシステムがコピー元とコピー先の両方のボリュームにあれば、ファイルレベルではなく、ブロックレベル(block level)でのバックアップが可能になる。500MB のファイルの中のたった1バイトを変更しただけなら、バックアップボリュームではたったの1ブロック(4KB 程度)で済むのだ。

All of this comes back to snapshots. Again, snapshots are not the same thing as backups. But they can certainly be used to more efficiently implement an automated backup system like Time Machine. With snapshot-enabled file systems on both the primary and backup volumes, backups could be done at the block level rather than the file level. A one byte change to a 500MB file would then cause only a single block (say, 4KB) of new storage to be used on the backup volume.

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私は待つ・・・

私としては、未来の Mac OS X では、現行の HFS+ に代わって、もっと近代的な、なんらかのシステムにとって代わることを期待する。

As for the future of file systems in Mac OS X, I continue to hold out hope that something more modern will replace HFS+…

だから私は待ち続ける。Time Machine が発表されたあとの数分間は、ファイルシステムマニアにとっては至福の瞬間だった。その後、実は新しいファイルシステムなんてないのだと分かったときは残念だったけれど。私のウォッチリストには Mac OS X 10.6 が正式に加わった。さあ、2008 年の WWDC を待つぞ!

And so I continue to wait. The few minutes between the announcement of Time Machine and the eventual revelation that there’s no new file system under the covers represents the best experience for Mac file system nerds in a keynote in many years. (Sad, but true.) Mac OS X 10.6 has officially been added to my watch list. WWDC 2008, here I come!

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門外漢には難しすぎて、どの程度訳出できたか自信ないが、WWDC の主役だったデベロッパがどう感じたかということの一端は窺い知ることができるのではないだろうか。

WWDC 直後のネットの様子から、(まだ Jobs のキーノートを見る前だったけれど)、迂闊にも「なんだ、噂にあがっていたことだけじゃないか」と思ってしまった。しかしそれは、噂に毒されたシロウトの考えることで、本当のプロは別の視点から見ていたのだ。

デベロッパとは夢を持つひとびとなのだなあと思った。

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