maclalalaweblog

2006年 7月 30日

困ったオジサンのおバカなインストール:Parallels

遅ればせながらとうとう Parallels Desktop for Mac をインストールしてしまった。

このスゴいソフトについては何度か紹介したけれど、それでなんとなく自分も分かったように錯覚してしまうところが悪いクセだ。困ったオジサンである。

極め付けは若旦那の記事だった。「あっという間」、「なんなんだ、この簡単さは」ということばににつられた。

若旦那の独り言:”あっという間のParallels“:6月10日

・・・そこまではいい。

困ったオジサンのおバカぶりは、インストールにも発揮される。

推奨インストールとして折角デフォルト(初期設定)でマークされているのに、わざわざそれと違うものを選択したりする。(すぐ後で気付いて後悔するけれど・・・)

自分で紹介した記事すら十分理解していないおバカぶりだ。

・・・で、どうだったか。

いい加減でおバカなインストールなのに、それでもちゃんと動いた。

マックとウインドウズの切り替えも簡単で、ウインドウズがスイスイ動くのを見るのは感動ものだ。Parallels Desktop for Mac は評判どおりスゴい。

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インストール環境

・MacBook:一番ローエンドの機種で、メモリーだけ 1 GB に増設

・Windows 2000 Professional:インストールした後で SP4 にアップグレード

・Microsoft Office 2000:これも古いバージョン

・FireFox 1.5:なるべく IE は使いたくないので

・AntiVirus 2006:ウイルスリストを更新するには IE が必須らしい。仕方なく IE 6 にアップデート。ウイルスの数がものすごく、リスト更新に長時間かかるのには仰天

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困ったオジサンのアドバイス

いい加減なインストールを反省して、いくつかアドバイスがある。

1)必ず Parallels Tools をインストールすること

Parallels Desktop for Mac だけでは色オチのしたくすんだ画面(dithered 8-bit)だが、Parallels Tools をインストールするとちゃんと奇麗な解像度に戻る。

カラーだけではない。カーソルの動きが滑らかになる。それだけではない。カーソルがバーチャルマシン(VM、ゲスト OS)のウインドウズとホストの Mac OS X の間を自由に行き来できるようになるのだ。

Parallels Tools をインストールするまでは、ウインドウズ内のカーソルは VM の中に閉じ込められて外に出れない。外に出るには[Ctr + Alt]というキーを押してカーソルを解放してやる必要がある。

しかし、Parallels Tools を入れるとカーソルは VM の内外を自由に動き、ウインドウズの中ではウインドウズのカーソル、外ではマックのカーソルに自動的に変化する。これには感激する。

さらに、Parallels Tools を入れると、ウインドウズと Mac OS X が共通のフォルダ(Shared Folder)を利用できるようになる(らしい)。

この Parallels Tools を利用できるのは Windows 3.1 を除く全てのウインドウズだ。それに Solaris、OS/2、eComStation でも利用できるという。ウインドウズ(VM)をインストールしたあとは決して Parallels Tools を忘れないように・・・

2)デフォルト(当初設定)でうまくいく

オジサンはウインドウズのことは何にも分からないが、それでもちゃんとインストールできた。

Parallels Desktop for Mac だろうとウインドウズだろうと、インストールの最中はバカの一つ覚えで OK あるいは Next を押すだけでいい。

3)急がば回れ

おバカなインストールをしたため、ちゃんと出来たか後でチェックするハメになった。(ちゃんと出来てはいたけれど・・・)

Parallels Desktop for Mac については優れたレビューや解説記事が沢山あるので、事前にどれか読んでおかれるよう是非お薦めする。

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Parallels Desktop for Mac の解説

結局、つぎの四つを熟読することになった。

Ars TechnicaParallels Desktop 1.0 for Mac OS X” by Dave Girard:7月9日:36 頁

Ars Technica らしい極め付けのレビューだ。長文だけれど、画像も豊富で(41枚)それを見るだけでも楽しい。つぎのような結論で10点満点中9点を与えている。

USB 機器と 3-D アプリケーションを除けば、MacBook へスイッチしようと考えているひとは、このちっちゃなソフトが十分期待に応えてくれることに安心していい。とにかくインターネットはちゃんと動くし、目覚ましいスピードといい、クライアント OS がバーチャルマシンの中で動いていることに気付かないぐらいすごい。Parallels のバーチャルマシンで動かない x86 アーキテクチャの OS を探すとしたら四苦八苦するだろう。

People pondering the switch to a MacBook can rest assured that with the exception of USB device support and hardware accelerated 3-D applications, their needs will be well met by this little workhorse of a program. Between the networking that just works, the impressive speed and the inability of the client operating systems to know they are running within a “virtual machine,” I think you’ll be hard-pressed to find software for any x86 OS that doesn’t work within a Parallels VM.

Virtual PC と Parallels のスピードを比較したマンガがすべてを語っている。

Ars Technica らしく、このソフトをうまく使うためのヒントがいたるところにちりばめられている。

MacDevCenterParallels Desktop for the Mac” by Todd Ogasawara:6月27日:13 頁

このレビューは、つぎのような書き出しで始まる。

まずハッキリさせておこう。Parallels Desktop for the Mac に関するこの解説はひと言で要約できる。スゴい、と。

Let’s get this out of the way first. The short version of this discussion of Parallels Desktop for the Mac can be summed up in a single word: amazing.

O’Reilly Network にこういわせるなんて実にたいしたものだ。

画像(8枚)も豊富だし、YouTube のビデオもついている。

MacworldReview: Parallels Desktop for Mac” by Rob Griffiths:6月30日:8 頁

お馴染みの Rob Griffiths のレビューだ。

Parallels は Unix や Linux だけでなく、ウインドウズのほとんどのバージョンを動かすことができる。したがって、インテルマックでほかの OS を動かす必要があるひと、あるいは動かしたいと思うひとにとっては得難いツールとなる。仕事上ウインドウズが必要だが、しかしほんとはマックや Mac OS X が好きということなら、これぞ両方の世界の一番いいところを提供してくれる。もし Parallels をフルスクリーンモードで使っていれば、みなウインドウズが動いているとしか思わないだろう。その下で、世界で最もすばらしい OS が動いているなんて気付きもしないで・・・

Parallels’ ability to run nearly every version of Windows, along with many versions of Unix and Linux, makes it a valuable tool for anyone using an Intel-based Mac who has a need or desire to work with other operating systems. If your job requires Windows, but you love your Mac and OS X, Parallels will truly give you the best of both worlds. If you put your Parallels session in full screen mode, anyone walking by won’t even be able to tell that under the Windows façade, you’re actually running the world’s greatest operating system.

Parallels“Parallels Desktop for Mac: Quick Start Guide”:34 頁

ダウンロードしたソフトにバンドルされた解説書。ウインドウズ(Guest OS)のインストール以外はほぼ十分だ。

いずれも英語のドキュメントなので気後れする方もいるかもしれないが、画像を見るだけでも十分だ。豊富な画像を見るだけでだいたいのことは分かる。

こんなすばらしい記事や解説がたくさんあるなんて、まさにマックユーザー冥利に尽きる。

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うまくいかなかったこと

オジサンが出来なかったことも、是非ふれておかねばならない。

1)印刷ができない

インターネットのアクセスはまったく問題がない。バーチャルマシン(VM、ウインドウズ)の中からどこへでもアクセスできるのはオドロキだ。

ところが印刷となるとそうはいかない。USB 端子で直接プリンターをつないでいるのに、VM の中からは印刷できないのだ。(オジサンの場合、だけれど・・・)

どうやら Parallels Desktop for Mac の弱点は USB 機器との接続にあるらしい。

Parallels の USB ドライバは USB 1.1 しかエミュレートしない。これじゃ何をやるにしてもとても十分とはいえない。これが Parallels Desktop 1.0 のアキレス腱であることはよく知られている。[Ars Technica

The USB driver in Parallels emulates USB 1.1 and is less than a champ for tackling whatever you throw at it. This is the acknowledged Achilles heel of Parallels Desktop 1.0.

2)共通フォルダが作成できない

これがどうもよく分からない。共通フォルダがどこにできたのか、利用するにはどうすればよいのか、オジサンにはよく分からなかった。

この点に関してはドラッグ&ドロップでファイルを移動できた Virtual PC が懐かしい。今後改善が望まれる点だろう。

3)ホットキーがうまくいかない

全画面モード(Full Screen mode)にすると、まるでウインドウズマシンのようになる。

問題は Mac OS X に戻るときだ。

デフォルトでは[Ctr + Alt]というキーコンビネーションが準備されているのだが、どこにも表示されないので忘れ易い。自分が覚え易いショートカット、たとえば[Cmd + Q]などを設定するのもひとつの手だ。

ホットキーの設定は Preferences で簡単にできるのだが、設定したキーを押しても反応が悪い。結局うまくいかなくて、デフォルトに戻してしまった。

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付記:なぜウインドウズをインストールしたか

根っからのマック好きとしては、マックですべてが完結すればいいなあと思う。

「しかし、Appleはあくまでも「Mac」に強い拘りを見せて欲しいのです。・・・Windowsへのアプローチにひた走るAppleをMacオンリーで使っているユーザーはどう思っているのでしょうか…」という「Retro@Diary 〜Rev.B〜」の retro_x 氏のコメントには全面的な共感を覚える。

Retro@Diary 〜Rev.B〜:”林檎の向こうは林檎であって欲しい“:7月18日

じゃあ、なぜウインドウズをインストールしたのか。

実は、アメリカのあるサイトにアクセスするのにウインドウズでしかアクセスできないためだ。特別なソフト(ウインドウズ版)も必要だ。

このたったひとつのサイトのために、ウインドウズと縁を切ることができない。

以前は Virtual PC を使っていたのだが、動きの鈍さに辟易(へきえき)した。

結局、ウインドウズマシンを使うハメになった。Mac mini とほぼ同じ大きさのマシンで数年前に買った。

ところがこれも具合が悪くなり、立ち上がらなくなって切羽(せっぱ)詰まっていたところだった。

すべてがマックで完結する世界は、筆者にとってはまだ遠い。

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2006年 6月 25日

Parallels のつぎは VMware か

vmware_logo

あっという間に正式版の発表に漕ぎ着けた Parallels Desktop for Mac の話題で持ち切りだが、仮想化ソフトの老舗(しにせ)VMware もマック向けマーケットに乗り出すとの観測が浮上している。

きっかけは、仮想化技術を専門とするサイト virtualization.info のインタビューだ。

VMware 社の Platform Products 担当副社長 Raghu Raghuram がインタビューに答えている。

virtualization.info:”Interview: virtualization.info interviews Raghu Raghuram” by Alessandro Perilli:6月20日

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データセンター向けの仮想化ソフト VMware Virtual Infrastructure 3 (VI3) が出たのをきっかけにインタビューがもたれた。

リリースされたばかりの VI3 や一般的戦略に関する話が大部分で、マックについては次のやり取りだけだ。

OS X 向けに仮想化ソフトを検討中

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virtualization.info仮想化技術のマーケットに参入した一番新しい会社である Parallels Inc. が、アップルのインテルマック OS X 向けデスクトップ製品をどこよりも早く発表しました。VMware は、VMware Workstation のような高品位のデスクトップ製品で成功を収めたマーケットリーダーですが、アップル OS に向けた製品をだすのかどうか未だ沈黙を守っているのにはいささか驚かされます。VMware はアップルのマーケットには興味がないのでしょうか。

VI: Parallels Inc., the last company entered in the virtualization market, just released a desktop virtualization product for new Apple Mac OS X for Intel architectures, beating any competitor on time.

Customers are a bit surprised the market leader, founding its success on a high quality desktop product like VMware Workstation, is still mum about a possible presence in the Apple operating system. Isn’t VMware interested in Apple market?

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Raghu Raghuram:アップルが x86 ベースのプロセッサに移行したので、[我々の]強固で実績のある仮想化技術をアップルユーザーに対して提供する大きなチャンスだと考えています。実際我々のラボでは、VMware が Mac OS X 上でも動いているということを明らかにしてきました。この分野での将来の発表をどうぞご期待ください。

RR: With Apple switching to x86-based processors, robust and proven virtualization capabilities for Apple users is an interesting opportunity. We have stated that we do have VMware running on Mac OS X in our labs – stay tuned for future announcements in this area.

非常に慎重な言い回しながら、マック版を検討中だと示唆している。

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慎重な言い回しは、Raghu Raghuram の他の回答にも共通している。

WMware ACE のアップデート

virtualization.info興味深い製品なのに長い間アップグレードされていないのが WMware ACE[IT セキュリティマネージャ向け法人デスクトップ用製品]ですが、今年中になにか新しいものが出ると考えてよいですか。それとももうこの製品は終わりということでしょうか。

VI: A very interesting product VMware is not updating since a while is ACE. Can customers expect something new within this year or the product is going to be dismissed?

Raghu Raghuram:デスクトップマシンの管理およびセキュリティ能力を ACE が非常に高めてくれるものと我々は期待しています。次のメジャーなバージョンについて精力的に作業中です。ベータ版の準備が整い次第、もっと詳しい情報を提供したいと思います。

RR: We are excited by the potential of ACE to improve desktop manageability and security. We are hard at work on the next major version. As the product is readied for beta we will offer more details.

競合相手マイクロソフトのサポート

virtualization.info最後にマイクロソフトとの競争についてお尋ねします。マイクロソフトは二年後に Windows Server Virtualization や Virtual Machine Manager を発表するといわれていますが、その時点で VMware はどうするのでしょうか。

VI: A last question about Microsoft competition. Where VMware will be at the time Microsoft will release Windows Server Virtualization and Virtual Machine Manager, 2 years from now?

Raghu Raghuram:仮想化技術の第一世代は、シングルサーバーでのパーティショニング(single-server partitioning)でした。第二世代では、バーチャルマシン(Virtual Machine)の管理レイヤーが提供されました。そして VMware Virtual Infrastructure 3 (VI3) によって仮想化の第三世代にはいりました。シングルサーバーのパーティショニングからスタートした仮想化は、接続されたインフラ全体をカバーする分散コンピューティング上の仮想化技術へと発展し、次世代のシステムインフラストラクチャの基礎を提供するものとなりました。次世代システムインフラとは、業界標準のハードウェアコンポーネント全体を束ね、何百万ドルもするメインフレームコンピュータでしか可能でなかった稼働率、信頼性、可能性、そしてセキュリティを提供しようとするものです。VMware の使命はこうした次世代システムインフラを可能にすることにあります。たとえば他のベンダー[マイクロソフト]が二年後にやろうとしている基礎的パーティショニングやマネジメントに関するものを含めてです。

RR: The first generation of virtualization was single-server partitioning. The second generation of virtualization provided a layer of management for Virtual Machines. With VI3, we have entered the third generation of virtualization. Virtualization has evolved from being a static single-server partitioning technology to a distributed, infrastructure-wide virtualization technology that provides the foundation for next generation systems infrastructure. The next generation systems infrastructure will harness a collection of industry-standard hardware components and deliver the utilization, reliability, availability and security that was previously possible only with million-dollar mainframes. VMware’s mission is to enable this next generation of systems infrastructure even as other vendors focus on basic partitioning and management two years from now.

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さて、マックに関して興味深いのは、「ラボでは Mac OS X 上で VMware が動いている」という部分だろう。

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この点に関しては布石があり、USA TODAY での Diane Greene(VMWare CEO)のコメントがベースになっている。

USA TODAY:”Mac and XP: a virtual moot issue?” by Kevin Maney:4月6日

複数の OS を切り替える

複数の OS を切り替える(toggle)ことができるようになるのにそんなに時間はかからないだろう。仮想化ソフトの最大手である VMware の Diane Greene によれば、すでに 400 万台の PC が同社の仮想化技術を利用しているという。目下のところ、同社の製品はマックでは動かないし、コンシューマ向けの製品も出していない。VMware は例えばウインドウズマシンでリナックスを動かしているようなひとたちによって使われている。

And that’s not long in coming. Virtualization is already running on at least 4 million PCs, says Diane Greene, who runs the leading virtualization software company, VMware. The company’s products won’t run on Macs yet, and they’re not ready for the mass market. VMware is used, for instance, by people who run Linux on Windows machines.

どんなマシンでも、どんな OS でも

「どんなマシン上でも好きな OS を動かせるようにしたい」と Greene はいう。「そうすれば、OS が何かということを心配せずに、自分の欲しいアプリケーションを買えるようになる。」

“We’d like to let anybody run any operating system (OS) on any machine,” Greene says. “You’ll be able to buy any application you want and not worry what OS it runs on.”

仮想化ソフトのトリック

仮想化ソフトは、それぞれの OS がマシン上にある唯一の OS だとコンピュータに思い込ませるトリックを使う。そうすると複数の OS が同時に、しかもお互いの邪魔をすることなく動くのだ。

Virtualization software tricks the computer into thinking each OS is the only one on the machine – so multiple operating systems can run simultaneously but not get in each others’ way.

マックでも動いている

VMware は今後コンシューマ向けの仮想化ソフトを出す計画だ。「我が社のラボでは Mac OS 上で仮想化ソフトを動かすことがすでに可能だ」と Greene はいう。

VMware has plans to roll out virtualization for consumers over coming years. “We can run it on the Mac OS in our labs already,” Greene says.

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1998 年に設立された VMware は、業界標準を念頭において仮想化技術を広めてきた会社のようだ。400 万人の PC ユーザーと 2 万の法人に支えられているというのは大きな実績だろう。

virtualization.info のインタビューでも、Raghu Raghuram は「mission-critical」ということばを使っているが、ユーザーの9割が生産現場(年中無休で中断やミスが許されない)に関わるものだということが同社ソフトに対する信頼性の高さを窺わせる。

マックの仮想化ソフトの世界も、先頭を走る新規参入の Parallels、近日中に参入することを示唆した老舗の VMware、まだ態度を明らかにしないマイクロソフトと、この三者の三つ巴の戦いになるのだろう。

マックのインテル移行がもたらした影響が徐々に姿を現している。コンピュータ世界の景色が大きく変わろうとしているようだ。

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参考:

・virtualization.info:”Interview: virtualization.info interviews Raghu Raghuram” by Alessandro Perilli:6月20日
・Macworld UK:”VMWare hints at Mac plans” by Jonny Evans:6月22日
・Mac Rumors:”VMWare On Mac OSX Coming?“:6月22日
・USA TODAY:”Mac and XP: a virtual moot issue?” by Kevin Maney:4月6日
・Mac Rumors:”Apple, Parallels, VMWare and Microsoft“:4月10日

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2005年 11月 10日

アップル特許申請の余波

Filed under: インテルマック,OS — shiro @ 22:44
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アップルが申請した特許「改ざんに対して強いコードをつくり出すシステムおよび手法」(”system and method for creating tamper-resistant code“)は、大きな波紋を呼んでいるようだ。

us_patent

公開は先週の11月3日だが、申請されたのはだいぶ前(2004 年4月)のことだ。

「三つの OS の中から第一、第二の OS を選択できる」という点は、申請の 22 項と 23 項につぎのように記述されている。

22. The method of claim 20, wherein the first operating system is selected from the set consisting of Mac OS X, Linux, and Microsoft Windows.

23. The method of claim 20, wherein the second operating system is selected from the set consisting of Mac OS X, Linux, and Microsoft Windows.

CNET によれば、この申請では次のような説明がなされているという。

・アップルは特定のハードウェア以外ではこのコードが実行できないようにする複数の方法をこのなかに記している。

Apple describes ways of ensuring that code can be limited to specific hardware, even in a world in which operating systems can be run simultaneously, in so-called virtual machines.

・これらの方法は、いわゆるバーチャルマシンによって複数のOSを同時に動作できる環境にも対応する。

・また、特定のハードウェアアドレスやROMのシリアル番号を使ってコードのセキュリティを確保する方法も説明している。

Apple describes a means of securing code using either a specific hardware address or read-only memory (ROM) serial number. Apple also talks about securing the code while interchanging information among multiple operating systems.

・デバッガやエミュレータを使ってコードの特定のブロックの仕組みを解明しようとする者の作業を困難にすることができる「コード難読化」のテクニックについても言及している。

Specifically, Apple refers to the technique of “code obfuscation,” in which software makers employ techniques that make it harder for those using debuggers or emulators to figure out how a particular block of code is working.

要は、ウインドウズと Mac OS X のデューアルブートは許すが、アップル以外のハードウェアに Mac OS X をインストールすることは許さないということなのだろうが、むずかしくてよく分からない。

“… technology patents are notoriously hard to read (for me, at least)”「技術特許はむずかしくてなかなか読み解けないことで悪名高い・・・少なくとも私にとってはそうだ」と Paul Thurrott が慨嘆するのも無理はない。

おもしろいと思った事柄をあといくつか・・・

・バーチャリゼーション技術はハードウェアレベルなのでエミュレーションと違って速度の問題はなくなる

Software emulation of Windows is too slow, but with virtulization technology at the hardware level, the speed hit becomes a non-issue and the software market for Mac users opens up exponentially. [TUAW.com]

・マルチ OS になってもマイクロソフトは困らないだろう。困るのはデルなどの競合メーカーだ。

The ironic thing in this scenario is that Microsoft wouldn’t actually lose out. … The losers would be Apple’s actual competitors: Dell and the other computer manufacturers. Perhaps there’s more than we thought to Michael Dell’s suggestion to Apple that they allow Mac OS X to run on his company’s computers. [TUAW.com]

どうも特許の話は素人の手に余る。今回は消化不良でスミマセン・・・

興味をお持ちの方が直接確かめていただけるように、以下に記事の出所をまとめておきます。

○特許申請そのもの:”System and method for creating tamper-resistant code“「改ざんに対して強いコードをつくり出すシステムおよび手法」

○CNET:”Apple tries to patent ‘tamper-resistant software’” by Ina Fried. 和訳『アップル、Intel Mac用に「改ざんに強いコード」を計画』(こなれた訳で読みやすい)

○Architosh:”Tidbits: Apple patent shows company possibly preparing for OS War“「アップルが特許を申請したのは OS 戦争のためか」

○Paul Thurrott:”Apple patent shows company possibly preparing for OS War

○TUAW.com:”Apple Gearing up for OS War?” by Damien Barrett「アップルは OS 戦争に向けてシフトアップしたのか」(コメント欄も充実しているようだがカバーできなかった)

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2005年 11月 7日

アップルの特許申請とインテルマック

アップルの特許申請がインテルマックに与える影響を探った記事がおもしろい。(“MacTel Strategy includes Windows and Linux” by Sandy McMurray

osx86

アップルの特許申請第 0050246554 号は、”System and method for creating tamper-resistant code”(不正改ざん防止のシステムと方法)というタイトルだそうだ。

そこでは、

・ユーザーは Mac OS X、Microsoft Windows、Linux の三つの中から、それぞれ第一、第二の OS を選択することができる

・ユーザーはマックまたは PC のどちらかの virtual machine を選択することができる

ということになっているらしい。

Apple’s U.S. patent application 0050246554 (“System and method for creating tamper-resistant code”) describes scenarios in which the user would choose a “first operating system” and a “second operating system” from a set that includes Mac OS X, Microsoft Windows, and Linux.

There’s also mention of a virtual machine, and the option to choose between “Macintosh computer” and “Windows PC.”

だとすると、インテルマックは Mac OS でもウインドウズでもネイティブで走らせることができるだけでなく、ウインドウズを主、Mac OS を従で走らせることもできることになる。

It could run both systems at once, or — as the patent seems to suggest — run one system natively and the other in a virtual machine. (Users could choose which OS should be the dominant or “first” operating system.)

アップルは Mac OS のライセンスを認めそうにないから、結局両方の OS が動くのはインテルマックだけということになる。

この意味するところは大きい。

次期ウインドウズ Vista が出荷されても、性能上 Vista を走らせられない PC が続出するものと思われる。買い替えが必要になる訳だ。

その時点で、ウインドウズしか動かないマシンと、二つの OS が(ネイティブに)動くインテルマックがあったら、PC ユーザーはどちらに買い替えるだろうか。

「おもしろいことになった。これは見物だ。」(Very interesting. Stay tuned…)と Sandy McMurray は言う。

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