maclalalaweblog

2007年 2月 3日

YouTube のトップが日本へ

Filed under: ビデオ,著作権 — shiro @ 12:12
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YouTube のトップは訪日して関係者と著作権交渉を持つ予定だという。

日本音楽著作権協会(JASRAC)をソースとする IDG News Service の記事によればつぎのとおり。

Macworld:”YouTube execs due in Japan next week to talk copyright” by Martyn Williams [IDG News Service]:2月2日

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YouTube の複数のトップは、来週東京を訪れる予定。人気サイト YouTube に投稿された著作権で保護されたコンテンツにつき、日本最大のビデオコンテンツ制作者の一部と話し合いをするためだ。

Top executives from YouTube are due in Tokyo next week for talks with some of Japan’s largest video content producers over copyrighted material available on the popular site.

会合は火曜日に行なわれる予定。約2か月前、日本のコンテンツ制作者の団体は YouTube に対して、著作物が同サービスに掲載されないようさらなる措置を講ずるべきだと文書で苦情申し立てを行なっていた。

The meeting is due to take place Tuesday, just over two months after a group of Japanese content producers sent a letter of complaint to YouTube, urging the company to do more to keep copyrighted material off its service.

日本の日本音楽著作権協会(JASRAC)のスポークスマンによれば、YouTube の Chad Hurley(CEO)および Steve Chen(CTO)両氏が会談出席者にはいっているとのこと。

YouTube CEO Chad Hurley and Chief Technology Officer Steve Chen are among those due at the talks, said a spokesman for the Japanese Society for Rights of Authors, Composers and Publishers (JASRAC).

JASRAC は、当初22社・団体の署名を添えた苦情申し立て文書を送付した。署名者には JASRAC のほか、日本のテレビ放送ネットワークの全て、日本映画製作者連盟、日本レコード協会(RIAJ)、ヤフーなどが含まれている。

JASRAC sent the original complaint, which carried its signature along with that of 22 other companies and groups. Among the signatories were all of Japan’s TV networks, the Motion Picture Producers’ Association of Japan, the Recording Industry Association of Japan and Yahoo Japan.

苦情申し立て者は、大量の著作物が YouTube に掲載されたことを不満としている。当初の文書による要求は、著作権侵害物と認められたときは YouTube が直ちにかつもっと容易にコンテンツを削除できるようにすること、およびユーザーが著作物を投稿できないよう厳しい措置をとることを求めていた。

The complainants are unhappy about the amount of their content available on YouTube. They demanded in the original letter that YouTube make it easier and quicker for content to be removed once it has been identified as violating copyright, and for the company to make it tougher for users to upload copyrighted material.

YouTube はこれらの苦情に対し12月中旬に対応して、問題を協議するため日本を訪れる用意があるとの回答文書を出していた。JASRAC によれば、YouTube は日本でビジネスを開始することに関心があるため、日本のコンテンツプロバイダと協調することを強く期待していると回答文書で述べている由。

YouTube responded to the complaint in mid-December and said they could visit Japan to discuss the issue. The letter indicated that YouTube is keen to work with the content providers because it is interested in starting a business in Japan, according to JASRAC.

12月の苦情申し立てに対し、YouTube は3万件に少し欠ける数の、日本の著作権侵害ファイルを削除することで応えた。これらのファイルは、昨年10月に5日間に及ぶ精査の結果見つかったもの。しかしながら、ファイルが削除されるとすぐ、また無許可のコンテンツが新しく登場し始めている。

The December complaint followed YouTube’s deletion of just under 30,000 files that violated the copyright of Japanese rights holders. The files were discovered during a five-day audit of YouTube in October. However, as soon as the files were deleted, new unauthorized content started appearing.

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YouTube 違法ビデオの大量削除要求で先鞭を付けた日本だが、YouTube との直接交渉でもまた先頭に切ることになったようだ。

一躍世界に名を挙げた JASRAC だが、実際にコンテンツの制作者であるクリエイタはどう考えているのだろうか。

日本発の世界ニュースが少ない中で、この交渉結果は世界的な注目を浴びることになるのではないだろうか。

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参考:

日本と YouTube —

・Macworld:”YouTube execs due in Japan next week to talk copyright” by Martyn Williams [IDG News Service]:2月2日

・Computerworld:”YouTube response to Japan complaints ‘not satisfactory’” by Martyn Williams [IDG News Service]:2006 年12月29日

・Computerworld:”YouTube ready to talk copyright with Japanese group” by Martyn Williams [IDG News Service]:2006 年12月19日

Viacom も削除要求

・Reuters:”Viacom demands YouTube remove videos” by Kenneth Li:2月2日

・Ars Technica:”Viacom demands YouTube pull its videos down” by Eric Bangeman:2月2日

・Macworld:”Viacom demands its videos removed from YouTube” by Juan Carlos Perez [IDG News Service]:2月2日

クリエイタの反応

・ITmedia News:”いつ奈落に落ちるか──著作権“バッシングに松本零士の思い“[知はうごく 第1部 著作権攻防]:2月1日[産経新聞]

・ITmedia News:”リメーク・映画化のハードルが高い日本“[知はうごく 第1部 著作権攻防]:2月2日[産経新聞]

・iza:”知的財産取材班の日常知財取材班:イザ!“[産経新聞]

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2006年 10月 23日

YouTube ビデオの大量削除

Filed under: 著作権,YouTube — shiro @ 19:29
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日本から投稿された大量のビデオが YouTube から消えている。

たとえば7月16日に紹介した CHAGE&ASKA の「On Your Mark ジブリ実験劇場」は、つぎのような文言を残して YouTube サイトから削除されている。

このビデオは、著作権者の財団法人ヤマハ音楽振興会から、無断で掲載されているという指摘を受け削除されました。

This video has been removed at the request of copyright owner Yamaha Music Foundation because its content was used without permission

著作権保護の立場から言えば当然なのだろうが、ちょっと寂しくなった感じ・・・

削除されたビデオは約3万件、正確には 2 万 9549 件にもなるという。

「さあ始まった、YouTube が3万件のビデオを削除した」という Ars Technica の記事がその経緯をまとめている。

Ars Technica:”And so it begins: YouTube nukes 30,000 videos” by Ken Fisher:10月20日

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グーグルが YouTube を買収するずっと前から、ビデオ共有サイトの未来がどうなるのか問題だった。とくに、著作権侵害の問題は尾を引いている。YouTube は訴えの対象となるのか、実際に訴えられるかどうか。きれいになった YouTube は果たしておもしろいのか。最近グーグルが買収したことで、このサイトはこれからも著作権侵害の問題を提起する場となるのだろうか。

Long before Google swooped in to buy up YouTube there were questions about the video sharing site’s future. In particular, concerns relating to copyright infringement have persisted: can YouTube be sued, will they be sued? Will a sanitized YouTube be interesting? The recent acquisition by Google all but ensures that the site will remain under the infringe-o-scope of copyright holders for the near future.

日本音楽著作権協会(Japan Society for Rights of Authors, Composers and Publishers、JASRAC)によれば、YouTube はその歴史上初めて、大規模コンテンツ削除として約3万件のビデオを、日本の著作権所有者の指摘を受けて削除した。日本音楽著作権協会によれば、YouTube には日本の映画、ミュージックビデオ、テレビなどからとった著作権侵害にあたる 29549 のビデオがあったという。映像の削除を求めた中には、日本の放送大手 NHK もはいっている。

In the first major mass removal of content in its history, YouTube has removed nearly 30,000 videos after being contacted by a number of Japanese rights-holders, according to the Japan Society for Rights of Authors, Composers and Publishers (JASRAC). The group says that its members found 29,549 videos on YouTube that contain unauthorized materials taken from Japanese sources, including movies, music videos, and television.  Japanese broadcast giant NHK was among those seeking the removal of materials.

日本音楽著作権協会のスポークスマンによれば、権利侵害の発生を防止するため YouTube 自身が対策を講じるよう要求していくつもりという。通告を受けた場合、YouTube は対象となる著作権侵害ファイルを削除する法的義務があるが、著作権利者の中には YouTube ではなく自分たちがチェックしなければならないことに苛立ちを隠せないものもいる。

A spokesperson JASRAC said that they were also considering petitioning YouTube for a better screening process. Although YouTube is legally obligated to remove infringing material when notified, some copyright holders have expressed irritation at the notion that they need to police YouTube themselves.

同スポークスマンは、削除ビデオの数が多数に及んだことは、問題の大きさを示すメッセージだと語った。YouTube は米国内であればデジタルミレニアム著作権法(DMCA)の免責条項による保護(safe harbor protections)を与えられているとはいうものの、正当な権利者は、YouTube のようなサイトを鋭意検閲していても、無断で映像を掲載されることにより事業を阻害されることになると懸念している。

The spokesperson also suggested that the number of videos to be removed is meant to send a message that this is not a minor problem. Although the DMCA provides safe harbor protections for YouTube inside the United States, rights holders are still concerned that the posting of unauthorized material could hurt their businesses even when they are vigilant and police a site like YouTube.

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グーグルの YouTube 買収後、著作権侵害に対する最初の動きとして、コンテンツの大量削除要求が始まり、日本からの要請がその第一波となったと受けとめられているわけだ。

今回の削除要請をしたのは、つぎの23団体だ。

日本放送協会(NHK)、日本民間放送連盟、日本テレビ放送網、東京放送、フジテレビジョン、テレビ朝日、テレビ東京、テレビ神奈川、朝日放送、讀賣テレビ放送、東海テレビ放送、衛星放送協会、スペースシャワーネットワーク、放送大学学園、コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)、実演家著作隣接権センター(CPRA)、日本レコード協会(RIAJ)、日本音楽著作権協会(JASRAC)、日本映画製作者連盟、日本映像ソフト協会(JVA)、日本動画協会、全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)、ヤフー

日本のマスメディア、著作権団体がずらりと顔を並べている。よく同一歩調をとれたものとびっくりするほどだ。

このリストを見ていると、ひとつの感慨がよぎる。

これだけたくさんのメディアや団体が集まったのだから、削除や禁止だけでなく、みんなが利用できる合法的な方法を考えてくれたらどんなによかっただろう、と・・・

違法なものが含まれていたとしても YouTube への投稿で、かつて一度は放送・上映されても、そのままお蔵入りしていた沢山の映像コンテンツに日本のユーザーが気付いたといえるのではないか。

折角のこの機会に、もっと開放的な映像コンテンツの利用のあり方(必ずしも無料でなくていい)が考えられてもいいような気がする。

とくに公共放送を名乗るものの責務は大きいのではないか。その意味で、過去の映像資産を公開した BBC の例は大変参考になりそうだ。(映像の宝庫:BBC Motion Gallery

禁止するだけでは、削除と投稿のイタチごっこが続きそうな気がする。

現に YouTube を検索すると、削除された筈の映像ファイルがまだたくさん残っていることに気付く・・・

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今回のビデオ大量削除については、つぎのような興味深い指摘もある。

CNET Japan:”日本の「著作権団体」による ‘Act Against YouTube’ は正しかったのか” by ふじたやすし:10月22日

CNET Japan の記事によると、日本の著作権関係 23 団体・事業者が動画著作物の削除を YouTube に要求した後、YouTube はただちにそれに応じてコンテンツの削除を実施したらしい。

この記事だけを読めば、著作権関係団体・事業者は、著作権者の利益にかなった行動を取ったようにも思える。しかし私は、「また悪しき前例を作ったな」という印象を禁じ得なかったのだ。・・・

今後もし日本のクリエイターが自身の作品、すなわち著作権物を YouTube にアップロードしようと試みた場合、そこに「著作権関係団体・事業者」が絡んできて「許可を申請しろ」「分け前をよこせ」と主張できる下地を作ったのが今回の事例である、というのは考え過ぎなのだろうか?

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参考:

・Ars Technica:”And so it begins: YouTube nukes 30,000 videos” by Ken Fisher:10月20日

・Macworld:”YouTube deletes 30,000 files on request by Japan” by Martyn Williams:10月20日

・BBC:”YouTube cuts 30,000 illegal clips“:10月20日

・BBC:”Goal footage warning for website“:10月21日

・New York Times:”YouTube Deletes 30,000 Files After a Copyright Complaint” [AP]:10月21日

・CNET Japan:”日本の著作権関係23団体・事業者の要請で、YouTubeが約3万の著作権侵害ファイルを削除“:10月20日

・ITmedia:”YouTubeが動画3万件を削除 日本のテレビ局やJASRACが要請“:10月20日

・AV Watch:”23団体が共同で「YouTube」に削除要請を実施“:10月20日

・IT-PLUS:”YouTubeへ日本の著作権者23社・団体が「一斉反撃」——3万ファイルを削除“:10月20日

・ZAKZAK:”ユーチューブ動画3万件削除NHKなど放送各社要請“:10月20日

・CNET Japan:”日本の「著作権団体」による ‘Act Against YouTube’ は正しかったのか” by ふじたやすし:10月22日

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2005年 8月 29日

Jobs の来日講演

iTunes Music Store Japan のオープニングイベント(8月4日)に来日した Jobs の講演が、マックファンの付録になったので、さっそく見てみた。

jobsinjapan

客席からビデオ録画したものらしく、会場のざわめきや咳なども録音されている。

開設したばかりの iTMS Japan をマックで操作してみせたのがハイライト。35 分余りのイベントだったが、例によってよどみなくスムーズだ。

同時通訳のせいか、観客の反応がワンテンポ遅れるような気がした。ややざわついた会場と相まって、Jobs もいささか勝手が違うように見えたのは気のせいか。

終り近くになって、机にのった原稿らしきものをめくる仕草をした。Jobs のスピーチで原稿らしいものを見たのは初めてだ。例の青いリモコンも見えた。

やっと日本講演の姿を見ることができて気持ちが落ち着いた。

念のために、米国と日本のアップルサイトをチェックしてみたが、やはり QuickTime はアップされていないようだった。

サンフランシスコの WWDC では、会場からのブログもあって時々刻々ネットに情報が流れ、アップルサイトにも間をおかずキーノートがアップされたものだが、日本ではだいぶテンポが遅い。

そういえば、Jobs が来日すること自体あまりニュースにならず、このイベントの後どうしたのかもあまり伝えられなかったように思う。Jobs がカリスマだといっても日米では温度差があるということか。

九月後半のパリ(アップル EXPO)ではどうだろうか。

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