maclalalaweblog

2007年 6月 15日

Safari の狙いはクロスプラットフォーム

Filed under: アップル — shiro @ 05:08

Safarforwindows
ウインドウズ版 Safari を出す真の狙いは、クロスプラットフォームを作ることにあると Carl Howe がいっている。

Blackfriars’ Marketing:”Safari for Windows: free software that could generate billions for Apple” by Carl Howe:6月12日

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派生的なオイシい収入

今になってなぜ新しいブラウザなのか。それは無料のソフトが派生的なオイシい収入を生み出すからだ。

But why a browser now? Because it’s a free software product that has a lucrative secondary revenue stream.

Daring Fireball の John Gruber はつぎのように指摘している。Safari に組み込まれた検索のひとつひとつに対して、グーグルから収入が得られることををアップルはちゃんと認識している。しかもマック版 Safari だけで、年収は 2500 万ドルにも達するのだ。もしアップルが iTunes と同じ規模のユーザーに手を広げられれば、収入は5倍から10倍にも達する。2500 万ドルという広告収入はとてもないがしろに出来る代物ではない。タダの製品から得られるとなれば尚更だ。

John Gruber over at Daring Fireball notes that Apple actually recognizes revenue from Google for every integrated search that comes from Safari. At the moment, that’s about $25 million a year — from the Mac-only version of Safari. But if Apple can reach a similar number of users that it has via iTunes, that number could increase by a factor of 5 to 10. And no matter how you slice it, a quarter billion dollars of search ad revenue is nothing to sneeze at, particularly from a free product.

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アップルソフトへの需要

それだけではない。

Wait, there’s more.

ブラウザは、サーチエンジンと結びつき得る単体のアプリケーションというだけではない。いろんなユーザー体験(user experience)と関係するのだ。例えば、ホームページ、メディアプレーヤ、ウェブやフォントのレンダリングエンジン、ネットワーキングのプログラムなどだ。したがって、もし Safari がウインドウズ世界に足場を得られれば、iTunes や Quicktime のダウンロードがさらに増加することになる。ひょっとしたら、アップルからウインドウズ向けの新しいアプリケーションが出ることになるかもしれない。例えば、ユーザーのパスワードや情報の安全を守る Keychain とか、ウインドウズ向けの iChat メッセンジャーなどだ。だから、Safari が使われれば使われるほど、アップルの他のソフトに対する需要も増すことになる。

Browsers aren’t just stand-alone applications that have a stand-alone to one search engine. They drag along a lot of other bits of user experience, like home pages, media players, Web and font rendering engines, and even bits of networking code. So if Safari gets a foothold on Windows, we can expect more demand for iTunes and Quicktime downloads too. We might also see new Windows applications from Apple such as its Keychain for safeguarding user passwords and information and iChat messaging for Windows. So more use of Safari means more demand for other Apple software.

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真の狙いはクロスプラットフォーム

しかし、真の狙いは、iPhone やウェブにまたがるクロスプラットフォームを単一ブラウザで作ることにある。

But the real driver here is a single browser platform across iPhones and the Web.

アップルが iPhone 売り上げの目標を達成したとすると、ほんの数年のうちに、この地球はアップルコンピュータより多い iPhone で溢れることになる。デベロッパは、標準規格に則って自分たちが作成したウェブアプリケーションを、それぞれマック用の Safari、iPhone 用の Safari、あるいはウインドウズ用の Safari でテストしたいなどとは考えないだろう。どの Safari であれ、いずれかのひとつ Safari で動くことがテストできれば、あとはどのプラットフォームでもちゃんと動くようになって欲しいのだ。アップルが iTunes で提供するのは、「ひとつ作れば、あとはどこでも見れるし、聴ける」オーディオ・ビデオ用メディアだ。アップルはそれとまったく同じことが Safari を使ったウェブにおいても体験できることを望んでいるのだ。

In just a couple short years, assuming Apple achieves its internal goals for iPhone sales, there will actually be more iPhones on the planet than Apple computers. Developers don’t want to have to test their standards-compliant Web applications against an Safari for Macs and Safari for iPhones and Safari for Windows. They want to know that if they test against Safari — any Safari — that their Web application will work just fine, no matter what platform they run it on. Just like Apple today provides “Create once, listen or view anywhere” audio and video media for iTunes, Apple wants the same experience for the Web using Safari.

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アップルだけができる

マイクロソフトではこんな体験はできない。マイクロソフトはケイタイのブラウザにはほとんど食い込んでいないからだ。ノキアのブラウザの方がマイクロソフトより10倍以上も多い。マイクロソフトはウインドウズ版以外の Internet Explorer についてはもはや興味を失っている。また Firefox はケイタイでは使えない。結局、アップルだけがすべてのプラットフォームをカバーする開発環境を持っているのだ。アップルが Red Hat や Canonical に接触して、リナックスのディストリビューションに Safari をバンドルしたいと言い出しても驚いてはいけない。ひとつの標準規格ブラウザで開発すれば済むという魅力には抗(あらが)い難い。ブラウザからデスクトップウィジェットを開発できるとなれば尚更だ。昨日 Jobs がいったとおり、目下のところ iPhone のアプリケーションを作る唯一の方法がウェブページからということだから、そのプロセスを簡単にするのはアップル自身の利益にも適うのだ。たといそのデベロッパがウインドウズマシンの開発者だとしても。

This experience is something Microsoft can’t do, since it has trivial penetration of cell phone browsers (there are more Nokia browsers out there on phones than Microsoft ones by a factor of 10 or more), and has lost interest in supporting Internet Explorer on anything except Windows. And Firefox doesn’t run on phones. Only Apple has the kind of software development reach that can cover all the platform bases. And don’t be surprised if Apple reaches out to Red Hat or Canonical to see if they’d like to bundle Safari into their Linux distributions. The ability to develop for one standards-compliant browser is compelling, especially when we look at the ability to develop desktop widgets from browser pages. And as Jobs noted yesterday, Web pages are currently the only way developers can get applications onto the iPhone, so making that process easy is in Apple’s best interest, even if those developers are on Windows machines.

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マーケティングツール

ウインドウズ版 Safari はまだベータ段階だ。明らかに改良が必要だし、マック版の Firefox や Safari のようにセキュリティの問題を解決して信頼性を高める必要がある。しかし同時に Safari は、アップルソフトの中で、ウインドウズのユーザーやデベロッパをアップルの環境に惹き付けるためのマーケティングツールでもあるのだ。その成功が小さいものであっても、それはアップルソフトや iPhone の売り上げと内容に大きく寄与することが出来る。2008 年以降、毎期10億ドルから20億ドルにもなるのだ。無料のソフトからこれだけ膨大な収入を稼ぎ出せるとあっては、これはもう大変なことだ。

Safari for Windows is just a beta now. It clearly needs refinement and will undoubtedly have to have some security issues resolved it’s as secure as Firefox or Safari on Macintoshes. But it’s another marketing tool in Apple’s software offerings to draw Windows users and developers into the Apple environment. And even small success there can boost both the content and sales of Apple’s software and the iPhone — and that’s worth one to two billion dollars every quarter from 2008 on. That’s one heck of a lot of money and revenue for Apple from a free product.

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なお、クロスプラットフォームという観点からは、つぎの二つの記事が大変示唆に富んでいる。

元麻布春男の週刊PCホットライン:”Appleが目指す3つのクロスプラットフォーム戦略“:6月13日
@IT:”アップルにWindowsSafari開発を決断させたある認識” by 垣内郁栄:6月12日

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4件のコメント »

  1. Windows版Safariはクロスプラットフォームへの布石か

    maclalalaweblog: Safari の狙いはクロスプラットフォーム

    会社でインストールして使用してみて実用に耐えられる程ではないし、まだまだ改善の余地はある。ただ、最速というのはあながち嘘ではないし、何よりシンプルで使いやすい。Safariを3つのプラットフォームで供給……

    コメント by EASY LIFE STYLE — 2007年 6月 15日 @ 01:48

  2. Windows 版 Apple Mail→Finder かも。Mac への乗り換えの敷居がぐっと低くなるような。

    コメント by へりおす — 2007年 6月 15日 @ 06:06

  3. Safari 3 forWindows Public Betaのまとめ。

    先日のWWDCで「Windows最速ブラウザ」として華々しく紹介されデビューしたSafari 3 for Windows Public Beta、リリースから48時間で100万ダウンロードを突破しました(Appleプレスリリース)。かなり注目度の高いブラウザだけあって各ニュースサイト、ブログなので様々な実験…..

    コメント by DesignWorks — 2007年 6月 15日 @ 14:37

  4. アップルから、Windows対応「Safari」Ver.3.0ベータ版の脆弱性を修正したv3.0.1が公開!

    ども!もこ茶です[:ラッキー:][:パン:]

    先日掲載しました「Safari 3.0ベータ版」が早くも更新です[:モグモグ:][:mac:]
     以前の記事をご覧いただく場合には、ここをクリック!

    アップルは、Webブラウザー「Safari」のWindows XP/Vista対応ベータ版をバージョン3.0.1に更新しました[:わーい:][:地球:]
    今回のバージョンでの変更点はセキュリティの向上で、ベータ版公開直後から報告されていた脆弱性を修正したものとみられます[:てれちゃう:][:…

    コメント by もこ茶の携帯・モバイル徹底活用! — 2007年 6月 16日 @ 23:16


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