maclalalaweblog

2007年 5月 24日

アップルの「日本向けマック」は本気か

Filed under: アップル — shiro @ 23:15

For Japan-1

日本向け

少し前になるが Mac de Life 氏の「Portable MacBook は日本向け?」がとてもおもしろかった。

Mac de Life:”Portable MacBookは日本向け?“:5月12日

「日本向け」ということを正面から話題にしたのは、日本のブログとしては最近にないことではないかと思う。元になっているのは AppleInsider の記事で、日本向けに MacBook のウルトラポータブルが出るというもの。先週5月15日の MacBook のマイナーアップグレードの直前に書かれたものだ。

AppleInsider:”Next ‘MacBook’ update a yawner; Ultra-portable to get 13-inch display” by Kasper Jade:5月11日

      *      *      *

MacBook ultra-portable は日本向け

またアップルは、「極薄ポータブル」(ultra-thin portable)は成長を続ける日本のサブノート(sub-notebook)マーケットに食い込むためにデザインされたもので、これで日本での販売にテコ入れしたいといい続けている。

At the same time, Apple continues to pound away on an ultra-thin portable designed to capture a slice of the growing sub-notebook market and boost sales in Japan.

この動きに詳しいひとが AppleInsider に語ったところによると、アップルは見た目にはっとするようなデザインを採用、それになんと極薄、13インチ LED バックライトディスプレーのモデルを製造中で、きっとこれは暖かく受け入れられることとなるだろうという。

In what’s sure to be a warmly received move, people familiar with initiative tell AppleInsider that the Mac maker plans to go easy on our eyesight and is building the model around stunning, ultra-thin, 13-inch LED backlit display.

そうなんだ。昨今アップルが発注した13インチ LED バックライトパネルは、このウルトラポータブルのためのもので、近々アップデートされる[注:5月15日にアップデート済]13インチ MacBook のためではないという。

That’s right — it appears those recent Apple orders for 13-inch LED backlit panels are destined for the firm’s ultra-portable initiative and not its impending 13-inch MacBook update.

これまで AppleInsider がレポートしてきた情報と、この新しいニュースの断片を併せ考えると、次世代サブノートブックについて現時点で分かっていること、分かっていないことはつぎのようになる。

Combining this latest tidbit with information presented in previous AppleInsider reports, here’s a summary of what we know and don’t know about the next-gen Apple sub-notebook:

分かっている点:

・13インチ極薄 LED バックライトディスプレー

・光学式ドライブはなし

・オンボードの NAND フラッシュメモリーでアプリケーションの起動時間とブート時間の短縮を図る

・iSight ウェブカメラ内蔵

・現行 MacBook ラインナップより薄く、軽量

・AirPort Extreme 802.11n 使用可能

・MagSafe 電源コード

・2007 年末ないしは 2008 年初頭に発表予定

What we know:

• 13-inch ultra-thin, LED-back lit display

• No optical disc drive

• On-board NAND flash for faster application launching and boot times

• Built-in iSight webcam

• Thinner and lighter than existing MacBook offerings

• AirPort Extreme 802.11n enabled

• MagSafe power adapter

• Target launch late ’07, early ’08

不明な点:

・搭載インテルチップ(多分 Santa Rosa ベース)

・予想価格

・RAM、HDD 容量、拡張性

・I/O ポートの詳細

・搭載 OS(多分 Leopard)

・バッテリー持続時間

・筐体仕様

What we don’t know:

• Precise Intel architecture (but appears to be Santa Rosa-based)

• Target price point

• RAM and HDD storage capacity and expandability

• I/O port breakdown

• Operating system software (appears to be Leopard)

• Expected battery life

• Enclosure makeup

      *      *      *

「日本向けウルトラポータブル」が本当ならこんなうれしいことはない。日本のユーザーにとって大いなる福音だ。

結局この予想は、5月15日の時点では空振りだった訳だが、この「日本向け」という情報がどこから来たものか大変興味深い。

アップルの考え方がどの程度反映されているのか是非とも知りたいところだ。

日本向けとはいいながら依然13インチディスプレーに拘っているところは、Mac de Life 氏の指摘どおりどうもピンと来ない。「MacBook ultra-portable」という名前も MacBook を前提としているためだろう。せめてナビ程度のサイズにはなって欲しいものだ。

Mac de Life 氏は、さらに日本市場に注力したいという Tim Cook の発言にも触れている。

先の第2四半期決算発表のカンファレンスコール(4月25日)のときの発言だ。議事録をみると、つぎのようなやり取りがある。

Seeking Alpha:”Apple F2Q07 (Qtr End 3/31/07) Earnings Call Transcript“:4月25日

      *      *      *

日本市場で成功しないもどかしさ

Shaw WuAmerican Technology Research のアナリスト)

まず、日本について。日本はいささか伸び悩んでいる。3四半期連続横ばいだ。どうなっているのか。どうやって是正するつもりか。

First on Japan. Japan continues to somewhat lag, it’s been flat three quarters in a row. What’s going on there, and what are you going to do to address it?

Timothy CookChief Operating Officer、アップルの 最高執行責任者)

日本は、我々にとってとてもチャレンジングなマーケットだ。IDC によると、日本の PC マーケットは前の四半期に2%減少した。iPod と MP3 マーケットに関してはまさにそのとおりの業績だった。ここしばらく、我々は50%以上のシェアを維持している。ただ、MP3 マーケットそのものは成長しておらず、その結果として iPod の販売ユニット数の伸びは非常に小さく、一桁台だ。それに iPod の ASP[average sales price]の低下も加わって、昨年に比べマイナスの収入となった。

In terms of Japan it is a very challenging market for us. The Japan PC market according to IDC contracted by 2% last quarter. That’s identical to what we did in terms of iPod and the MP3 market, we’ve maintained an over 50% share for some time; however, the MP3 market itself isn’t growing, so our units as a consequence are growing very small single-digit. That coupled with an ASP decline in iPod produces a negative revenue compare year over year.

販売促進チャンネルを使っていろいろなことをやっている。テレビではマッキントッシュ、マック/PC 比較コマーシャルなどいろいろやって事態を好転すべく努力している。日本は文字どおり世界の主要マーケットで唯一成功していない例だ。とてもフラストレーションを感じている。

We have a number of things going with the channels on merchandising, we’re running Macintosh, the Mac/PC ad on television, so we have a series of things that we’re doing to try to turn things around. It is literally the only major market in the world that we’re not doing well in. It is very frustrating.

      *      *      *

日本のマーケットに食い込めないもどかしさが率直に語られているように思う。実質極東についても責任を持つ Tim Cook の発言だけに意味は大きい。

問題は日本で成功していないという認識と、そのために何をやるかという対応策にズレが感じられる点ではないかと思う。

日本のマーケットはテレビ広告や比較広告(日本版 Get a Mac CM?)で済むほど甘くないのではないか。

      *      *      *

成功する見込みがあるのか

それではアップルの総帥 Steve Jobs はどう考えているのだろうか。

先日の記事で取り上げたように、「タブレット PC に成功する見込みがあるのかどうか分からない」ということばに尽きるようだ。

      *      *      *

日本のユーザーの反応は

日本のユーザーは何を考えているのだろうか。デザインか、サイズか、携帯性か、それとも何か他のことか。

日本のユーザーが思ったほど買わない理由をアップルはどう認識しているのだろうか。

その認識なしには、具体的対応策も、日本マーケットに適応したマックの登場もあり得ないのではないか。

比較コマーシャルを流す程度で片付く問題ではないし、なんとなく対応策のミスマッチが感じられるのもそのあたりに原因があるような気がする。

      *      *      *

もっと声を上げてみては

正直言って、個人的には、アップルは長い間日本に関心を払ってこなかったのではないかという気がしてならない。

アップルのデザインは世界共通のユニバーサルなものであり、買わないのは日本のマーケットが悪いとでもいうかのような・・・

アップルストアや日本版コマーシャルはごく最近の現象だ。

マック関連のニュースは、ほぼ100%アメリカ直輸入で、その意味では完全な一方通行だ。当ブログにしてからがまさにその典型だ。

日本から世界に向けて発信されるマックのニュースはとても少なく、ほとんど皆無といっていい。

日本には熱心なマックファンが沢山いる。ユーザーの率直な気持ちを世界に向けて発信する方法はないものか。

アップルが日本のマーケットについて、もどかしさと関心を持って注視しているというのなら、まさに絶好の機会ではないか。

      *      *      *

こんなマックが欲しい

英語である必要はない。アップルに直接向ける必要もない。ユーザーの率直な気持ちを反映させるだけでいいのだ。

日本ユーザーの気持ちが反映されたものなら、きっと誰かがその意を汲み上げてくれるだろう。アップルジャパンかもしれないし、本社直轄のアップルストアかもしれない。

例えば「こんなマックが欲しい」という旗印の下に、みんなが心情を吐露してみたらどうか。

どこぞにフォーラムを立ち上げ、然るべき管理人の下、みんながそこに「こんなマックが欲しい」という気持ちを綴るのだ。

現行機種に対する不満になるかもしれない。まだ見ぬこんな機種が欲しいという思いになるかもしれない。マックユーザーにはクリエイタも多いから、夢のマックデザインが登場するかもしれない。

そんな中から、日本市場でマックが抱える問題点も浮かび上がってくるのではないか。

日本のユーザーの真意を汲み取ってくれるのが何処の誰だか知らない。

そもそもアップルが「日本向け」ということをどの程度真剣に考えているかも分からない。

しかし、「まずは日本のユーザー在りき」ということが大事なのではないか。すべてはそこから始まりそうな気がする。

Technorati Tags: , , ,

広告

10件のコメント »

  1. 私はマックの機種云々というより、Intel Tigerに納得していないからと見ている。
    Leopardが出てはじめてIntel Macの真髄が分かると期待しているから、Leopard出るのを待っているだけだと思う。私の周りの人はこの理由が多い。

    コメント by ノブヒョン — 2007年 5月 24日 @ 23:40

  2. ASPはAverage Sales Price ではないか、と

    コメント by 通りすがり — 2007年 5月 25日 @ 01:06

  3. 日本のマーケットで今一つ振るわない原因には,複合した原因があると思うが,日本は島国であり,日本人の思考の根底には
     ・生きる残るためには,[寄らば大樹の陰]が無難
    との考えがあるのではないか?「ThinkDifferent」の反対。
    iPodが売れている一因ともなっているのでは?

    コメント by 通りすがりのものです — 2007年 5月 25日 @ 12:21

  4. 何かThinkPadと似通ったものを感じます…

    Macと違うのは、ThinkPadは現在すべて日本国内(神奈川県)
    で開発されているという点で、一見すると、日本国内のニーズを大いに取り入れてくれそうな気もします。

    しかし、実際は、IBM時代から、「ビジネスジャッジ」で特定市場向けに新たに商品をたちあげることが許されず、せいぜい、特定市場向け特別装備(Wireless WAN・軽量化液晶など)が関の山でした。

    IBMからLenovoになって2年と25日経ちましたが、ThinkPadラインでは、「ビジネスジャッジ」が今でも健在で、特定市場向けオリジナル商品はありません。

    が、奇しくもThinkPadブランドを離れたLenovo 3000シリーズでは、日本市場で受けそうな小型ワイド液晶ノートPCを展開しています。「日本人が日本で作りたい」と思う商品を作っているな、というのを実機を見ると感じます。周知不足で売れているとは言えませんが…

    Macも、いっそのこと日本に開発拠点を移せば、とも思いますが、「秘密主義」もあるでしょうから、難しいですね、きっと…

    コメント by せう — 2007年 5月 25日 @ 12:46

  5. > ノブヒョン さん
    Leopard に対する期待は それほど大きいということでしょうか・・・

    > 通りすがり さん
    カンファレンスコールを見直してみると 確かに Average Sales Price の意味で使われているようですね
    ご指摘のとおり訂正しました ありがとうございました

    コメント by shiro — 2007年 5月 25日 @ 22:49

  6. > 通りすがりのものです さん
    無難を選択することから Think Different は向かないと?

    > せう さん
    小型 ThinkPad は 気になる存在でした
    出来れば 特定市場向けオリジナルを避けたい 作る側の論理と 日本人向けにフィットするものが欲しい ユーザーの論理がぶっつかる接点から生まれたという たいへん興味深いお話しだと思います

    コメント by shiro — 2007年 5月 25日 @ 23:13

  7. アップルが日本市場に食い込めない原因は、販売チャネルの貧弱さにあるのではないでしょうか。私は近畿地方のある市に住む者です。そこは県庁所在地であるのですが、Macをうっている場所がなさすぎます。この市に3年住んでいますが、昔ながらのApple特約店(そこも商品陳列はほとんどない)と、ある家電量販店で取り扱っているだけです。後者ではMacBookしか陳列していませんでした。それに対して、WindowsPCはどこの家電量販店でもおかれています。
    通販を利用すればどこにいても何でも手に入りますが、その前に、実際の商品を触ってみないと買わない、というのもあると思うのです。高額な商品では特にそうです。米国は国土が広いがための通販先進国でもあり、あまり実感はないのかもしれませんが、日本のユーザーはまだまだ実際の商品を見ないと買わない消費者が多いのではないでしょうか。

    コメント by ざっぱー — 2007年 5月 26日 @ 21:02

  8. > ざっぱー さん
    実は私の知り合いに ざっぱー さんとまったく同じことを いっているひとがいます
    アップルストアが どれだけ成功しているにせよ その恩恵に与れぬひとも きっと多いのでしょうね
    それだけでなく 対面販売を善しとする 消費者の意識も大きいのかもしれません
    私も よく知っている商品なら通販でも構いませんが 新製品となると 実物を見たり 触ったりしないことには とても決められません
    ざっぱー さんご指摘のように 流通チャネルの問題はたいへん大きい 高額商品になればなるほど大きいと思います
    これは 製品以前の問題ですね
    知り合いも 実物に触れられないし なによりも 問題が生じたり故障したときが不安で とても踏み切れないといっています

    コメント by shiro — 2007年 5月 27日 @ 10:54

  9. 僕も期待しています

    maclalalaweblog: アップルの「日本向けマック」は本気か

    コメント by Webfool — 2007年 5月 27日 @ 23:23

  10. 新しい「MacBook Pro」は2007年6月5日にリリースか

    New MacBook Pros on Tuesday, June 5th 2007?というエントリーより。 a few new reports have started trickling in that the MacBook Pro could see updates as soon as this Tuesday (June 5th)….

    コメント by [N] — 2007年 6月 4日 @ 17:02


RSS feed for comments on this post. TrackBack URI

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中