maclalalaweblog

2006年 11月 1日

YouTube の大掃除がはじまった

Filed under: ウェブログ,映像 — shiro @ 23:58

Comedy Central

日本音楽著作権協会などに引き続き、こんどはアメリカのテレビ局が違法ビデオの削除を YouTube に要求している。しかも、DMCA を振りかざして・・・

New York Times:”YouTube Is Purging Copyrighted Clips” by Noam Cohen:10月30日

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違法ビデオの削除がはじまった

16 億 5000 万ドルでグーグルに買収されるという大成功を射止めたことが、大人気のビデオ共有サイト YouTube にとって思わぬ頭痛の種となっているようだ。

Hitting the financial jackpot, it appears, may have created some headaches for YouTube, the wildly popular video-sharing Web site that has agreed to be bought by Google for $1.65 billion in stock.

YouTube は先週末から、著作権で保護された「Comedy Central」のビデオを削除し始めた。熱烈な人気のある「The Daily Show With Jon Stewart」や「The Colbert Report」、「South Park」についても同様だ。

The site late last week began purging copyrighted material from Comedy Central, including clips from YouTube stalwarts like “The Daily Show With Jon Stewart,” “The Colbert Report” and “South Park.”

このニュースは、YouTube のユーザー Jeff Reifman のウェブサイト NewsCloud で明らかにされたが、YouTube から彼に送られたEメールよれば「Comedy Central による第三者通告」があったので削除されたという。

The action was “a result of third-party notification by Comedy Central,モ according to one such e-mail message sent to a YouTube user, Jeff Reifman, who broke the news on the Web site NewsCloud.

一週間ほど前、日本音楽著作権協会が著作権侵害を申し立てたため、3万近くのテレビ番組、映画やミュージックビデオが削除された。

A week earlier, nearly 30,000 clips of TV shows, movies and music videos were taken down after the Japanese Society for Rights of Authors, Composers and Publishers cited copyright infringement.

削除要求した側の事情も複雑

Viacom の一部である「Comedy Central」のような番組にとって事情はいささか微妙だ。その視聴者は若く、技術にも詳しい。「Comedy Central」のスターたちはこれまでも視聴者との交流を図るため YouTube と映像サービスを利用してきた。

The situation is tricky for a network like Comedy Central, part of Viacom. Its audience is young and technologically sophisticated, and Comedy Central stars in the past have used YouTube and clip services to interact with their audience.

「The Colbert Report」のスティーブン・コルベア(Stephen Colbert)だって、ホワイトハウスプレス晩餐会でブッシュ大統領をからかったスピーチで一躍注目を浴びたのだから。そのビデオは YouTube の人気ビデオのひとつとなったが、放映権を持つ C-Span の命令で削除された。

Stephen Colbert of “The Colbert Report,” for example, gained great attention for his mocking speech before President Bush at the White House Correspondents Dinner, which became one of the most-viewed clips at YouTube before C-Span, which broadcast the event, ordered it taken down.

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ニューヨークタイムズの記事は、実は Idealog というブログの記事をほぼなぞっている。(Idealog については Long Tail World の satomi 氏に教えていただいた。Long Tail World は YouTube がらみの話題、それもアメリカならではの話題が豊富で、たいへん参考になる。)

そのブログの主であり、YouTube のユーザーでもある Jeff Reifman によれば、Comedy Central の弁護士と思われる第三者から DMCA[Digital Millennium Copyright Act、デジタルミレニアム著作権法]に基づく削除請求を受けたという。

Idealog:”YouTube Takes Down Comedy Central Clips Based on DMCA Claims” by Jeff Reifman:10月27日

その削除要求Eメールはつぎのようなものだ。

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DMCA に基づく削除要求

YouTube からメンバー諸氏へ

YouTube

Dear Member:

本件は、下記のコンテンツが著作権侵害にあたる旨の申し立てが Comedy Central の第三者通告によってなされたことに鑑み、同コンテンツを削除ないしはアクセス不可とした旨貴殿に通告するものである。

This is to notify you that we have removed or disabled access to the following material as a result of a third-party notification by Comedy Central claiming that this material is infringing:

スティーブン・コルベアによるスティーブ・ウォズニアックのインタビュー

Stephen Colbert Interviews Steve Wozniak: http://www.youtube.com/watch?v=k-whFuN0S0M

下記について注意されたい。繰り返す、著作権侵害により、貴殿のアカウントおよび同アカウントでアップロードされた全てのビデオは削除される。今後かかる攻撃を受けないためには、貴殿が所有権を持たざる全てのビデオを削除し、かつ他人の著作権を侵害するビデオのアップロードは控えられたい。YouTube の著作権に関するポリシーについては、「著作権ガイド」を参照されたい。

Please Note: Repeat incidents of copyright infringement will result in the deletion of your account and all videos uploaded to that account. In order to avoid future strikes against your account, please delete any videos to which you do not own the rights, and refrain from uploading additional videos that infringe on the copyrights of others. For more information about YouTube’s copyright policy, please read the Copyright Tips guide.

[以下、参照条文および法律手続きについては省略]

著作権法第 512 条第 (f) 項に基づき、如何なる者といえども、当該コンテンツないしは行為が削除された旨、または過誤ないしは人物誤認により使用不可とされ旨、故意に事実を曲げて述べた者は、その責めに応ずべきことに注意されたい。

Please note that under Section 512(f) of the Copyright Act, any person who knowingly materially misrepresents that material or activity was removed or disabled by mistake or misidentification may be subject to liability.

敬具、YouTube, Inc 株式会社

Sincerely,

YouTube, Inc.

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なかなか厳しい文面だ。法律違反だ、ガツンというところか。

YouTube のユーザーは日本にもたくさんいる筈だが、日本のユーザーも同じようなメールを受け取ったのだろうか。

CNET も本件について報じているが、現状ではまだ全部が削除されてはいないこと、削除を要求した Comedy Central がビデオを無料試聴できるような措置を講じていることに注目している。

CNET:”YouTube takes down Comedy Central clips” by Candace Lombardi:10月30日

CNET Japan:”ユーチューブ、Comedy Centralの映像クリップを削除へ米報道“:10月31日

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YouTube の考え方

しかし、30日夕方の時点で「The Colbert Report」のコンテンツはまだYouTubeに掲載されていた。YouTubeは報道に対するコメントは避け、同社の一般方針について語った。[CNET Japan 訳]

Content from “The Colbert Report,” however, still appeared on YouTube as of late Monday afternoon. YouTube declined to comment on the report, referring instead to the company’s general policy.

YouTubeのJulie Supan氏は電子メールで、「われわれは自分たちのサイトのビデオ、コメント、レーティングなどを含め、コンテンツを規制することはしない。投稿するビデオに関しては、ユーザー自身が所有するものであるか、または著作権所有者の許可を得ているものでなければならないと、サイトの使用および発言に関する規則で明確に定めている。われわれは著作権問題を非常に重要視している。われわれはユーザーが著作権を侵害するコンテンツをアップロードすることを禁止し、著作権所有者と協力してそのようなコンテンツを特定し、速やかに削除する」と述べた。[CNET Japan 訳]

“We don’t control the content on our site. Our users post the content on YouTube–including videos, comments and ratings. Our terms of use and language on the site make it clear that users must own or have permission from copyright holders to post any videos. We take copyright issues very seriously. We prohibit users from uploading infringing material and we cooperate with rights holders to identify and promptly remove infringing content,” YouTube’s Julie Supan said in an e-mail.

削除するだけではない

Comedy Centralはすでに同社の多くの番組のビデオクリップをMotherLoadで無償で視聴できるようにしている。クリップ視聴時には通常、広告が横に表示される。[CNET Japan 訳]

Comedy Central already offers free viewing of video clips from many of its shows on the MotherLoad. The clips usually appear alongside an advertisement.

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なお、Ars Technica は、YouTube が著作権の無法地帯から「大人」になるかどうか、多くのメディアが見守っていると指摘している。これまでのように違法性に目をつぶって話題性をとるか、今後きちんと対応するようになった YouTube が投資(ROI)という観点からも相手にできるようになるか注視している、と。

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DMCA の威力を思い知らされる。

その警告を食らったサイトは、なにがなんでも対応を講じなければならない。

YouTube が直ちにユーザーに責任を転嫁したのもアメリカらしい。さすが大量の弁護士を抱える国だけある。ある意味で喧嘩慣れしているということか。

大掃除がすんできれいになった YouTube は、これまでどおりの人気を保てるのだろうか。

また、日本のユーザーにはどんな影響が出てくるのだろうか。

日本の23団体の大量削除要求は、どうやらつぎの展開へのスイッチを入れる結果となったようだ。

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参考:

・New York Times:”YouTube Is Purging Copyrighted Clips” by Noam Cohen:10月30日

・Idealog:”YouTube Takes Down Comedy Central Clips Based on DMCA Claims” by Jeff Reifman:10月27日

・CNET:”YouTube takes down Comedy Central clips” by Candace Lombard:10月30日

・CNET Japan:”ユーチューブ、Comedy Centralの映像クリップを削除へ米報道“:10月31日

・CNET:”Podcast: Imagining a YouTube without Jon Stewart“:10月30日

・Ars Technica:”YouTube has to compete like a grown-up” by Nate Anderson:10月30日

・IT-PLUS:”YouTube「3万ファイル削除依頼」の内幕・第2弾は「匿名性排除」要請も“:10月31日

・hana-pの技術メモ:”YouTubeの大量削除に思う事“:10月25日

・CNET Japan:”YouTubeの成長停滞は一時のもの」ネットレイティングス“:11月1日[岩本有平訳]

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3件のコメント »

  1. 2006.10.31. News 2

    今日のYouTube

    コメント by Mac!!Mac!!Mac!! — 2006年 11月 2日 @ 09:34

  2. ドーベルマンもといshiroさん、あんなゴミのようなコメントからこんなに丁寧に原稿おこして下さって感激です、C&Dレターって翻訳するにしても神経磨り減りますよね、本当にありがとうございました!! 私もちょこっと集後半の少し落ち着いた状況をFollow-upしときました。細切れのクリップは残るようでホッです。また何かあればご報告にきますね。:
    http://longtailworld.blogspot.com/2006/11/youtubecomedy-central.html

    コメント by satomi — 2006年 11月 3日 @ 11:54

  3. 「こんにちはJASRACから来ました」聞け聞け詐欺。

    そもそも、JASRACの徴収の仕方、お金の流れが、はっきりしないんだな。日本から音楽を消したいのか?カスラックよ。

    コメント by 悪いブログニュース。 — 2006年 11月 9日 @ 20:53


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