maclalalaweblog

2006年 10月 12日

アップルの覆面ブロガー

Filed under: ウェブログ — shiro @ 01:10

Masked

アップルの従業員と名乗る匿名のブログが始まった。

Masked Blogger:”It’s not about the product: Reply to Shel Israel’s post Shel Hell Dampens my Mac Envy“:10月8日

10月7日にスタートしたブログの第2回目は、ほかのブログが載せたアップル批判に対する反論だ。

その批判とは、マックへの乗り換えを考えていた Shel Israel というブロガーが、アップルサポートの対応の悪さを聞いてやめたというものだ。

そのブログは次のようなことばで締めくくっている。

ところで、アップルがこの会話に加わりたいということなら、誰でもOK。

BTW, anyone from Apple Computer wishing to join this conversation is free to do so.

Naked Conversations:”Shel Hell Dampens my Mac Envy” by Shel Israel:10月6日

それを受けて立ったのがこの覆面ブログというわけだ。

      *      *      *

製品がすべてではない

私はアップルで働いている。

I work for Apple.

アップルはモノ造りの会社だ。会社の組織そのものがそれを示している。同じ意味でデルは販売会社だ。セールスに関することならなんであれデルでは最優先事項になる。アップルはまったく違う生き物だ。

Apple is all about the product. The company hierarchy reflects this, in a similar way at Dell where it all starts with the sales organisation.  Anything that gets in the way of a sale is top of the list at Dell. Apple is a different animal.

アップルが注力しているのは偉大で望ましい製品(great and desirable products)だ。私はウインドウズユーザーだったが、マック OS X の体験の方が比較的優れていると思う。こういったからといってウインドウズ対マック陣営の聖戦に巻き込まれないように、ここでは製品だけを対象としているのではないということをはっきりさせておきたい。我々がどんな仕事をし、日々の生活を送っていようと、ノートブックコンピュータは我々が「生産する」ためのツールだ。全ノートブックの8割近くは、トップブランドの全てと製造契約を交した台湾や中国で生産されている。クールなインダストリアルデザインや使い勝手が重要なことは分かる。しかし、マーケットがさらに日用品化(commoditise)の方向に向かうにつれて、「ほかのこと」というか、製品を中心とするエコシステムの方に重点が移っていくのだ。トップブランドならどこでも(更には小さな隙間メーカーですら)、あなたの仕事に必要十分なノートブックを製造することができる。もしここで何か大切なことがひとつあるとすれば、それはユーザーをサポートするということだ。どんなブランドでも、それを崩壊させるのは簡単だ。不満なユーザーがいて、彼らがみんなの意見を変える方向に動けばすぐそうなるのだ。

The result of this focus for Apple is great and desirable products.  My background is with Windows, and OS X on Mac is comparatively a better experience.  To avoid any resulting jihad from the Windows vs Mac camps (and vice versa) my premise here is it’s not just about the product.  Notebooks are one of the tools we use to “produce”, whatever we do in our work and day to day lives.  Something like 80% of all notebook production comes out of Taiwan and China … contract manufacturing for all the leading brands. Sure cool industrial design and better usability matter, but as the market continues to commoditise the emphasis shifts to “the other things” or ecosystem around the offering.  It is true that any of the top brands (and a number of the smaller niche players) can provide you a notebook that will get the job done.  But if there’s one thing to get right, its [sic] is supporting the user. Nothing dismantles a brand quicker than the focus unhappy users and their ability to create a tipping point in general opinion.

このことをみんなが完全に分かっているとは思えない。デルは最近下降気味だが、これまでは比較的立派にやってきた。その結果気違いじみた伸びを示した。彼らの製品は信頼のおけるものだが、デザインときたらまったくぱっとしなかった。アップルは顧客満足度に関する調査では相対的にいい結果を出している。

I’m not sure anyone gets this 100% right.  Dell, aside from it’s recent slide, use to do a great job comparatively … and grew like crazy in the marketplace as a result. And their product, while reliable, was anything but inspiring in design.ハ Apple also places well in comparative user satisfaction surveys.

しかし、ここにはなにかが欠けていると思う。相互関係と信頼だ。すこし説明してみたい。

I think there is something missing though.  It’s to do with relationship and trust.  Let me try and explain.

      *      *      *

このあと筆者は、近くの Sainbury’s マーケットで食料品を買いに行ったときの経験を述べる。

Sainbury’s マーケットでは、レジ係の労力を軽減するため、買い物客がセルフスキャンでレジ入力するようになっているらしい。ところが、機械が任意に抽出したものについてはレジ係の再チェックを受けることになっている。それに引っかかって、買い物袋の中味の半ダース近くがチェックを受けることとなった。

Sainbury’s では年に1万ドル近くの買い物をするちゃんとした買い物客なのに、機械の指示と、Sainbury’s でも多分一番給料の安い若いレジ係にチェックされる羽目になって、いたくプライドを傷つけられた筆者は、以後他の店に行くようになったというのだ。

      *      *      *

ユーザーとの信頼関係

上で述べたスーパーマーケットの話は、コンピュータ会社のサポート部門の場合とも異なるところはないのだ。顧客とのやりとりがスタッフの年少者にまかされ、マニュアル通りの決まりきったやり方で処理されてはいないだろうか。どうしたら売る側と個人(影響力のあるブロガーではない普通の個人)の間に、期待を持たせ、期待に応える、よりよい信頼関係を打ち立てることができるだろうか。

Is the above supermarket scenario any different with the computer vendor support organisations?  Is the customer interaction handled by a junior member of staff and arbitrated by fixed process?  How do we develop a better trust relationships between vendor and individual to set and meet expectations (for those of us who are not bloggers of influence)?

アップルケア部門や、アップルストアのジーニアスバーの背後、あるいはアップルの流通チャネルに、たくさんの才能豊かな、情熱的なひとがいることを私は知っている。故障したノートブックが、その持ち主にとってどんなに大切か、翌朝 500 人を相手にキーノートスピーチをせねばならないそのひとにとってどんなに重大なことなのか、それをアップルケアに携わるひとたちに確実に理解させるにはどうしたらよいだろうか。彼らに手助けの手を差し伸べたいと思わせるにはどうしたらよいのだろうか。

I know there are many talented and passionate individuals in the AppleCare organisation, behind the Genius Bars in Apple stores, and in Apple’s channel.  How do we ensure they understand what a failed notebook means to an individual that will have 500 people in an auditorium for the keynote presentation the next morning?  How do we empower them to help?

私の考えでは、地元の食料店のオーナーと自分との間に築くべき、相互理解のための信頼関係と同じだと思う。より大きなサポート部門との間にも信頼関係を積み上げることのできるいい方法があるだろうか。Sainsbury’s の単なるレジ係とは違って、食料点のオーナーとの間に強力な、よりよい関係をもたらす双方向の話し合いを構築するにはどうすればよいだろうか。

My guess it’s similar to the relationship and trust I would build with the owner of the local deli as we got to know each others needs.  Is there a repeatable way we can make this work with the bigger support organisations?  How do we replicate the two-way conversation that makes the relationship with the deli owner more powerful than the checkout clerk at Sainsbury’s?

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反論への回答

そこで、Shel Israel に対する回答だ。MacBook Pro をお買いなさい。決して後悔させることはありません。ただ、アップルがどのユーザーともよりよい話し合いを持つように私はアップルの内部で仕事をしているので、私にも手助けをください。

To Shel Israel … by [sic] a MacBook Pro.  You won’t regret it.  But help me as I work from the inside to help Apple get into the conversation for the benefit of all.

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覆面ブログとはいっても、内容から見てアップルという会社の立場にたったものであることは明らかだ。

ただ、アップルのような秘密主義の会社で、このブログが今後どういう展開をたどるのかたいへん興味深い。

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なお TUAW は、Sainsbury’s Supermarket が英国に存在することや、英国風の言い回しなどから、書いているのは英国人ではないかと推測している。

TUAW:”A masked Apple employee begins to blog” by Laurie A. Duncan:10月9日

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また Infinite Loop は、アップルという会社の性格を考えると、いつまでも匿名でいることは不可能ではないか。ひょっとしたら、すでにクビになっているのではないか、とも指摘している。

Infinite Loop:”‘Masked’ Apple Blogger, perhaps not masked for long” by Jacqui Cheng:10月10日

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