すでにその時に到達しているのに、まだ遥か彼方のように感じられる映画。
数少ない手持ちビデオライブラリーのひとつ。大好きな映画。
その「2001年宇宙の旅」についてすばらしい映画評をみつけた。
とても素敵なので、そのまま引用させていただく。
日本経済新聞:”壮大な実験、驚異の持久力:2001年宇宙の旅” by 芝山幹郎:2月3日
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この映画の完成披露試写会がハリウッドで行われたとき、ロック・ハドソンは「なにがなんだかさっぱりわからん」とぼやいて、上映中に席を立ったそうだ。
日本で封切られたときには、マニアが続出した。私の友人も劇場に通いつめ、いつも最前列の席に陣取った。シネラマの画面に呑み込まれると「飛ぶ感覚」がたっぷり味わえるのだ、と友人は力説していた。
どちらも、当時の典型的な反応だ。無理もない。最初に見たときは、私も困惑してうめいた。モノリス(黒い石碑)とはなにか。タイムトンネルに吸い込まれた宇宙飛行士はどこへ行き着いたのか。『2001年宇宙の旅』には謎が多い。しかも解かれぬままの謎が。

それでも、この映画は深く記憶に残る。筋立てに起伏はないが、飛行士とコンピューターの心理戦はスリル満点だ。映像も、音楽も、緩慢なペースも・・・一度接したら忘れられない。キューブリックはさまざまな局面で壮大な実験に挑む。冒頭の『ツァラストゥストラかく語りき』も耳に残るが、宇宙船とステーションの合体場面に『美しく青きドナウ』を使うという大技を、ほかのだれが試みたか。
もうひとつ驚くべきは、この映画の「持続力」だ。スターも色気もアクションも小道具も抜きで、キューブリックは百三十九分間を走り抜いた。恐るべき体力だ。公開当時四十歳だった彼には、精気と根気が満ちていたのだと思う。(映画評論家 芝山 幹郎)
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600字足らずの中に、なぜこの映画が深く記憶に残るのか説明しきっているところがスゴい。大技も持続力もそのとおりだ。
こんな文章が書けたらと思う。
